研究課題/領域番号 |
62570430
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松田 博 愛媛大学, 医学部, 教授 (30035703)
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研究分担者 |
石川 純一 愛媛大学, 医学部, 助手 (50136321)
藤澤 由樹 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (90036484)
貴田 嘉一 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80093409)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | インスリン依存型糖尿病 / HLA / NODマウス / サイクロスポリン / ICSA / インスライティス / インスライテイス / IDDM / 免疫療法 / BBラット |
研究概要 |
IDDMの発症に免疫学的機序が関与することは多くの研究によって確立されつつあるが、それに対する根本的治療の実用化は未だなされておらずインスリンの補充療法が唯一の治療法となっているのが現状である。本研究の目的はIDDM症の免疫学的機序を明らかにした上でそれに対する免疫療法の可能性を検討することである。 本研究の臨床的研究では日本人IDDMは白人のそれと同様にHLAと関係することが明らかになった。即ち自己免疫性の強いIDDMはHLA-DRw9とリンクし、自己免疫性の低いIDDMはHLA-DR4とリンクすることが明らかとなった。ICA、ICSAは両群で持続期間に差があるものの発症初期には極めて高率に検出される。従って、家族歴や学校検尿の結果からIDDMのリスクがあると推測される小児では、HLAやICAの測定が発症予測に寄与するものと考えられる。さらに、HLA型によって自己免疫型のIDDMが予測される場合には免疫療法適応の可能性が高まるものと示唆された。本研究の実験的研究では免疫抑制剤であるサイクロスポリンによって動物モデル(NODマウス)のinsulitisや顕性糖尿病を予防あるいは抑制することが示された。又、予備的研究では、より副作用の少ない免疫調節剤であるβ-1、3-Dglucanによっても動物モデルのinsulitisや顕性糖尿病を予防し得る結果が得られた。さらに食事組成が顕性糖尿病の予防に関与することが明らかになった。これらの結果は少なくともIDDMのリスクの高いグループに対して食事療法を組合せた免疫療法を適用し得ることを示唆している。さらに、これら動物モデルでIDDM発症の原因となる膵ラ氏島破壊には細胞性自己免疫が主たる役割を演じることが示され、さらに詳しい機序の解明により有効な免疫療法が開発されるものと期待される。
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