研究課題/領域番号 |
62570432
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三池 輝久 熊本大学, 医学部, 教授 (90040617)
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研究分担者 |
児玉 美穂子 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00178287)
鳴神 浩 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70040623)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 血管内皮細胞傷害 / 血小板凝集 / ドゥシェンヌ型 / ジステロフィン / 血管中膜 / セロトニン / 血管中腹 / ジストロフィン / 筋ジストロフィー症 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
小児において内皮細胞を中心とした血管障害は代謝疾患ー自己免疫疾患ー筋疾患等多くの疾患で認められる。私達はこの中から著明な血管内皮細胞傷害、血小板凝集を示すドゥシェンヌ型筋ジストロフィー症(DMD)をとりあげた。昨年度はDMDと同様の筋障害と血管障害を示すセロトニンミオパチーとの比較、今年度は最近発見されたDMDの欠損蛋白ジストロフィンの抗体を用いて血管におけるジストロフィンの局在を検討した。 セロトニンの腹腔内注射によりDMD初期の筋病理に極めてよく似た筋線維のグループ壊死再生現象、血管内皮細胞の水腫様膨化、血小板凝集による血管の閉塞状態を作成することができる。ジストロフィン抗体(ハーバード大学Dr.E.P.Hoffmanより分与されたもの)を用いた観察ではセロトニン注射後10時間で血管平滑筋膜上のジストロフィン消失をみた。 前後するが上記抗体を用いてコントロールマウス、DMD動物モデルであるmdxマウスの組織を検討したところ、これまでジストロフィンの局在部として報告された筋線維と心筋線維の膜の上以外に血管中膜平滑筋を含めた様々な平滑筋の膜にも存在することを観察した。 その後の研究でこのジストロフィンが伝導蛋白の一つであることが示唆されるに至っているが、今回の研究で示されたようにジストロフィンの欠損やセロトニンの傷害による血管中膜の異常は血管内皮細胞の異常や血小板凝集を引き起す可能性があることを示唆している。逆に血小移凝集が引き起されるような状態においては血小板よりセロトニンが多量に放出されることが予想されひいては同様の血管障害がもたらされる可能性があることをも示唆される。
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