研究課題/領域番号 |
62570437
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
江口 光興 獨協大学, 医学部, 助教授 (60020799)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ダンウ症候群 / 骨髄増殖性疾患 / 前白血病 / 巨核球性白血病 / 細胞化学 / 血小板ペルオキシダーゼ / 電子顕微鏡 / ダウン症候群 / 細胞培養 / 好塩基球 / Hybrid cell / 骨髄異形成 / MDS |
研究概要 |
ダウン症候群に合併したtransient myeloproliferative disorder(transient abnormal myelopoiesis TAM)につき電顕および電顕細胞化学的研究を行った。芽球を形態計測すると、急性リンパ白血病より急性骨髄性白血病に近い形態的特徴を有していた。血小板ペルオキシダーゼ(PPO)はほとんどの症例で陽性度が高く、血小板関連単クローン抗体陽性であった。12例のTAMをダウン症候群に合併した巨核球性白血病13例と比較し、その細胞化学的特性をみた。PPOは両者共48%の陽性率であり、差はみられなかった。しかし、TAMの芽球は、α顆粒、分離膜など巨核球への分化を意味するもの、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)陽性顆粒など顆粒球への分化を示すもの、膜様構造物あるいはフェリチン粒子を含む顆粒など赤芽球への分化を思わせるもの、好塩基球様顆粒をもつものなど、多方面への分化を示唆する所見が得られた。これに反し、巨核球性白血病の芽球は未熟で、α顆粒、分離膜を欠き、また顆粒球への分化を示す所見もなく、わずかに膜様構造物を含む顆粒とごく少数の好塩基球様顆粒をみるにすぎなかった。 TAMの芽球はまたGolgi-endoplasmic reticulum-lysosome(GERL)の発達が著明で、金コロイド法でみるとRNAの分布が豊富であった。これ等は、細胞が蛋白合成、顆粒形成などにactiveに活動している時にみられる所見であり、TAMの芽球が分化成熟にむけてactiveに活動していることを推測するものであった。 TAMの培養細胞ではin vivoの所見と同様に多方面への分化を示す所見がありすでに報告したが(Blood 69:508、1987)電顕的にみても好塩基球、好酸球への分化が著明であった。大豆レクチンなどは好酸球顆粒に特異的に反応することが分りJ.Histochem Cytochiemに印刷中であるが、TAMでは、この方法でみると両者のhybrid cellが多かった。
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