研究課題/領域番号 |
62570446
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
慶野 宏臣 発達障害研究所, 周生期学部, 室長 (30090426)
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研究分担者 |
長江 秀利 トヨタ記念病院, 小児科, 医師
青野 幸子 発達障害研究所, 周生期学部, 助手 (20231780)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 新生児黄疸 / ビリルビン脳症 / 薬物治療 / ビリルビン / ヘムオキシゲナーゼ錫プロトポルフィリン / ラジカル反応 / 動物モデル / ヘムオキシゲナーゼ / 錫プロトポルフィリン / プルキンエ細胞 |
研究概要 |
Gunnラットはビリルビン排池障害を持った突然変異ラットである。Gunnラットは小脳前・中葉でビリルビンによる強い発育障害を示し、後葉は殆ど正常なままである(慶野印刷中)。このビリルビン性発育障害の差はプルキンエ細胞の細胞質内に含まれる物質の酸性度のちがいによるものと思われる(慶野投稿中)。それは小脳にあるビリルビン結合タンパク質(青野投稿中)の分布の違いによるのかも知れない。ビリルビン合成の律速酵素であるヘムオキシゲナーゼ(HOase)活性は錫を中心金属とするポルフィリンすなわち錫プロトポルフィリン(Supp)によって強く阻害される(長江1988)。Suppを生後5日のGunnラットホモ接合体に投与し、30日に小脳低形成の程度を判定すると、SuPPによって小脳低形成が予防されていることが確かめられた。しかし、その効果は低くまたSupp投与量を多くすると予防効果が無くなり、副作用の存在が示唆された。生後6〜8日のラットに20^<μmol>/kg体重までのSnppを投与し、光照射したところ極めて高率にラットは死亡した(慶野投稿中)。50%のラットが死ぬまでの時間は10、15そして20^<μmol>/kg体重でそれぞれ6、5、4時間であった。生理食塩液を投与されたラットや光照射受けなかったラットでは死亡するものと無かった。ポルフィリン(pp)ヘミン(Fep)コバルトメソポルフィリン(COMP)と同様に投与し、光照射したところ、PPは比較的高い死亡率を示したが、FepやCoMPの投与では死亡するラットは殆ど無かった(長江投稿準備中)。ラットの赤血球を使ってSupp存在下で光照射すると、ラジカル反応により脂質の過酸化が起こり同時に溶血も起こっていることが示された(慶野投稿準備中)。ラットの死亡はSnppが光エネルギーを受けて励起状態となり生体膜の脂質を過酸化することが原因と思われる。Snppは高ビリルビン血症に対して有効な薬物ではあるが、人への応用はまだ慎重さを要する。
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