研究課題/領域番号 |
62570482
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
三國 雅彦 国立精神・神経センター, 神経研究所, 室長 (00125353)
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研究分担者 |
西川 徹 国立精神, 神経センター・神経研究所, 室長 (00198441)
高橋 清久 国立精神, 神経センター・神経研究所, 部長 (30073076)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | セロトン受容体 / イノシトールリン脂質代謝回転 / 躁うつ病 / 血小板 / ラット海馬 / セロトニン合成阻害 / 抗うつ薬 / フットショックストレス / セロトニン受容体 / ヒト血小板 / イノシトール脂質代謝回転 |
研究概要 |
本研究は躁うつ病血小板におけるセロトニンー2(5HTー2)受容体を介する5HT刺激性イノシトール・-・リン酸(IPー1)蓄積反応を測定し、躁うつ病の5HTー2受容体機能の異常の有無を明らかにするとともに、ラット脳切片における5HT刺激性IPー1蓄積に及ぼす5HT合成阻害剤や抗うつ薬処置ならびにストレス負荷の影響を明らかにし、躁うつ病の成因解明の一助とすることを目的としている。2年間に得られた成果は以下のごとくである。(1)同意の得られたうつ病9例(男子4名、女子5名、平均42歳、HDRS平均24点)の血小板における5HT刺激性IPー1蓄積は非刺激時に比し150±7%増加を示し、健康対照の132±3%増加とは危険率2%で有意差を示した。これはうつ病血小板における5HTー2受容体機能の亢進を示唆する所見であり、新知見である。(2)ラット海馬切片における5HT刺激性IPー1蓄積亢進反応の測定法を確立した。この反応は5HTー2受容体ばかりでなく、5HTー2受容体とよく似た性質を有する5HTー1C駒類体を介することが、各種5HT受容体拮抗薬や促進薬による検討により明らかとなった。(3)5HT合成阻害剤PCPAの反復処置ラット海馬では5HT刺激性IPー1蓄積が、225±15%増加を示し、溶媒処置群の172±5%増加とは危険率1%で有意差を示した。5HTのEC50値はそれぞれ0.58μM、0.6μMであり差がなかった。したがってこの受容体機能亢進は5Ht受容体の親和性増大のためではなく、受容体・細胞内情報伝達系の反応性増大のためであるといえる。(4)抗うつ薬イミプラミン反復投与後のラット海馬における5HT刺激性IPー1蓄積は溶媒投与群と有意差がなく、PCPA処状ラットにイミプラミンを併用投与しても5HT刺激性IPー1蓄積亢進反応は抑制されなかった。(5)フットショックストレスを反復処置したラットにPCPAとイミプラミンを併用反復投与すると5HT刺激性IPー1蓄積亢進反応は抑制傾向を示し、うつ病態モデルとなり得る可能性が示唆された。
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