研究課題/領域番号 |
62570483
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
金野 滋 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90126219)
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研究分担者 |
渡辺 明子 東京医科歯科大学, 医学部, 文部技官 (40210992)
高橋 良 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (70009918)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | メトアンフェタミン / 逆耐性現象 / ドパミン / 前頭葉皮質 / 自己受容体 / ヒロポン / スルピリド / ストレス |
研究概要 |
選択的D_2受容体遮断薬スルピリド(SL)は少量ではドパミン(DA)自己受容体を遮断するとされているが、我々の実験系ではこれまでこの説を支持する所見は得られず、むしろ少量で前頭葉皮質DA神経伝達を優先的に遮断するという所見が得られている。今回の片側前頭葉皮質破壊ラットのメトアンフェタミン(MA)誘発性健側回転運動を少量SLが逆回転させるという結果もこれを強く支持するものである。しかし、in vivo脳内透析法を用いて細胞外液中DA濃度を測定した結果では、少量のLSで大量SL投与時より程度は小さいがDA量の増加が認められ、少量SLのDA自己受容体への優先的遮断作用の存在を否定することはできなかった。したがって、現段階では少量SLは前頭葉皮質DA伝達もしくはDA自己受容体を介した自己抑制を遮断すると結論される。 反復MA投与によって生じる逆耐性現象の形成は、前頭葉皮質DA神経伝達機能の低下と自己受容体を介した自己抑制機能の低下が反復するMAによるDA刺激に対して代償的に生じたことによって、MA再投に対する反応性の亢進した状態と考えられる。したがって、MA反復投与毎に少量SLを前投与することによってMA投与によるDA過剰刺激を遮断することで、MA逆耐性現象の形成を阻止できると予測される。しかし、この推測に基づく実験の結果は、予測に反し少量SL毎回前投与は、MA逆耐性現象に影響せず、MAを単独反復投与した群と同等の逆耐性現象が形成された。この結果は、従来の仮説とは異なる過程(神経機能変化)が逆耐性現象の成立の生化学的機序に関与している可能性を示唆する
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