研究課題/領域番号 |
62570487
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
太田 龍朗 名古屋大学, 医学部, 講師 (00109323)
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研究分担者 |
永津 俊治 名古屋大学, 医学部, 教授 (40064802)
岡田 保 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00023771)
中原 大一郎 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80128389)
金田 典雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (00144139)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | バイオプテリン / 血漿 / 躁うつ病 / 抗うつ薬 / 脳微量透析法 / 線条体 / ドーパミン / セロトニン / 活性バイオプテリン |
研究概要 |
生体アミン合成の調節に重要な役割をもつとされるバイオプテリンの、躁うつ病患者血漿中における動態と、in vivoにおける脳内伝達物質に対する影響を調べることに本研究の目的があった。 まずうつ病患者について、その血漿中バイオプテリン量が健常者に比べ有意に上昇し、寛解期には健常者とほぼ同じになっていた。このことは躁うつ病患者にもみられたが、躁状態における値は抑うつ期のそれよりも更に高い傾向にあった。また抗うつ剤の血漿バイオプテリンに対する影響はみられなかった。更にバイオプテリンの中でも特に活性バイオプテリンを測定したところ、うつ状態では健常者よりも有意に低く、躁状態では逆に高かった。このことは、うつ状態において何らかのバイオプテリン合成系の失調が存在することを示唆しているが、現在のところでは議論するには症例数が不足しているものと思う。 次にバイオプテリンは、パーキンソン病、躁うつ病、自閉症などの患者に経口投与し、有効であるとの報告のある一方で、バイオプテリンが脳内アミン合成を調節していることには疑問があるとの議論がある。そこでバイオプテリンの生体内での働きを明らかにするために、脳室内に投与し、in vivoの脳微量透析法によって線条体のドーパ、ドパック、5HIAAの濃度を測定した。左脳室内に500μgのバイオプテリン投与後30分後の線条体の濃度は、右がコントロールの93倍に上昇し、左側が23倍に上昇した。しかし500ー1500μgの投与前後で、透析液中のドーパ、ドパック、ホモバニリン酸、5HIAAの経時的変化を対照群と比較したところ、差は見られなかった。以上の結果から少くとも正常のラットでは、バイオプテリンを投与することが、線条体の細胞外液内の代謝産物の濃度を増加させるということはないと思われた。
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