研究課題/領域番号 |
62570489
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三田 達雄 神戸大学, 医学部, 助手 (70127405)
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研究分担者 |
谷本 健士 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (40163638)
中井 久夫 神戸大学, 医学部, 教授 (50094389)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ヒト脳 / 精神分裂病 / ドーパミン取り込み / ^3HーGBR-12935結合部位 / ヒスタミン受容体 / ^3Hーメピラミン結合部位 / フェンサイクリジン結合部位 / 興奮性アミノ酸受容体 / カルシウムチャネル / ニトレンジピン / Cキカーゼ / フォルボールエステル受容体 / ドパミン取り込み / GBR-12935 |
研究概要 |
精神分裂病の病態についてはドパミン仮説が有力である。しかし、分裂病の多様な症状をドパミン仮説だけで説明することはできない。とくに陰性症状は抗精神病薬の効果が乏しくこの仮説を当てはめることは困難である。また、分裂病脳でドパミン以外の神経伝達機構の異常を示唆する報告があり、他の神経系の異常も分裂病症状と関連する可能性が考えられる。われわれは、ドパミンの取り込み部位と思われる^3HーGBR-12935結合部位、ヒスタミンH_1受容体、NMDA受容体と複合体を形成するphencyclidine結合部位を慢性分裂病者死後脳および正常対照脳で比較検討することにより、分裂病の病態解明を試みた。 1.ヒト死後脳におけるドパミン取り込み部位の生理的意義と分裂病の病態との関係を明らかにするため、^3H-GBR-12935結合部位を同定し、その特性を解析した。分裂病者死後脳被殻における^3H-GBR-12935結合は、5μMmazindolを用いた場合、対照群に比べて増加傾向を示したものの有意な差は認められなかった。 2.ヒスタミンH_1受容体を特異的に標識するとされる^3ーメピラミンを用いて、ヒト死後脳において^3Hーメピラミン結合の特性を解析し、分裂病脳における変化を検索した。分裂病脳前頭葉皮質における^3Hーメピラミン特異的結合は、対照脳に比し、35%減少を示した。 3.ヒト死後脳において、^3HーTCPで標識されるphencyclidineの結合部位とNMDA感受性Lーグルタミン酸受容体との関係を検討した。ラットと同様、ヒト脳におけるphencyclidine結合部位もLーグルタミン酸、グリシン、Mg^<2+>により調節されていることが示された。前頭葉皮質と海馬において、^3HーTCP結合を測定し、分裂病群と対照群で比較したが、有意差はみられなかった。
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