研究課題/領域番号 |
62570545
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小熊 茂 京都大学, 医学部, 助手 (00169260)
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研究分担者 |
内野 治人 京都大学, 医学部, 教授 (40034615)
吉田 弥太郎 京都大学, 医学部, 講師 (80064525)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 不応性貧血 / 予後因子解析 / 白血病化 / 非白血化死亡 / 白血化フリー生存時間 / 混合指数分布模型 / 相対ハザード |
研究概要 |
総計499例の診断の確定した広義の不応性貧血症例の、初診時変量と生存時間よりなる計90項目のデータを、計算機可読のデータベースにした。このデータベースに基いて得られた結果は、以下の通りである。1.積極限法により全死亡の生存期間中央値は、狭義の不応性貧血(PARA)で1305日、RAEBで497日、鉄芽球性貧血(PASA)で1791日であった。2.白血病フリー生存時間は、全ての病型で3000日以内だけで白血病への移行が認められ、それ以後は平衡状態となった。平衡状態での白血病フリーの率は、PARA80%、RAEB32%、PASA92%であった。3.非白血化死亡の生存期間中央値は、PARA1669日、RAEB1063日、PASA2644日であった。4.白血化に対する危険因子を、比例ハザーズ模型により解析した。最適模型の選択には、赤池の情報量規準を用いた。6変量模型が最適模型となり、危険因子は、重みの大きい順に、RAEBであること、顆粒球の顆粒異常あり、男、単核巨核球あり、年令50才以上、末梢血前骨髄球1%未満であった。この解析の全体としての有意水準は、1.1×10^<-19>であった。5.非白血化死亡に対する危険因子は、重みの大きい順に、末梢血の後骨髄球1%以上、50才以上、血色素量低値、血小板数10万未満、単核巨核球あり、顆粒球核異常ありの6変量であった。全体としての有意水準は、6.6×10^<-11>であった。6.RAEB、PARAでの白血病の発症が、一部の症例では白血病発症の危険が初めからほとんどないとしたパラメトリックな混合指数分布によく適合する事、つまり、RAEBもPARAもともに腫瘍と非腫瘍性病変が混在した群と考えるのが妥当であることを示した。7.PARAの症例は、初診より7年目までは、性、年令をマッチさせた一般人の期待生存率より、約5から10倍ハザードが高いが、8年目以降には死亡例がなく、急にハザードが減少する事を示した。
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