研究課題/領域番号 |
62570546
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河 敬世 大阪大学, 医学部小児科, 助手 (70107035)
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研究分担者 |
原 純一 , 医員
石原 重彦 , 医員 (70232329)
泉 裕 , 医員
勇村 啓子 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
多和 昭雄 大阪大学, 医学部小児科, 助手 (00155277)
YUMURA Keiko OSAKA UNIVERSITY HOSPITAL
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 急性白血病 / loneage診断 / 免疫グロブリン遺伝子 / T細胞受容体遺伝子 / 再構成 / phenotype / genotype / lineage診断 / 分類 / B-lineage ALL / T-cell recepter β-chain geme / Immunoglobulin gene / rearrangement / expression |
研究概要 |
白血病細胞の起源に基づいた分類法を確立し、治療に応用する目的で小児急性白血病細胞のphenotype、genotypeの解析を行った。急性白血病105例はFAB分類、phenotypeからBーlineage57、Fーlineage16、ANLL15、AUL17にまず分類された。B-lineage.は免疫グロブリン(Ig)遺伝子H鎖の再構成(R)を、TーlineageはT細胞受容体(TCR)遺伝子のRを有しかつそれぞれのlineageに関連した表面マーカーを有するものと規定すると、Bーlineage57例中2例がIgH鎖がgermline(G)で、Tーlineage16例中2例がTCR遺伝子がGであり、それぞれ除外すべき症例と考えられた。またBーlineage ALLの半数近くの症例でTCRγやβ鎮のR(いわゆるdual R)がみられたが、TCRβ鎖のmRANを調べる限りTーlineage ALLにみられるような活性型のメッセージは産生しておらず、mRNAレベルでT-lineageとの鑑別が可能であった。TCR遺伝子(α、α、γ、β)のRはIg遺伝子のようなdevelopmental hieranchy(DJ→VRJ→K→λ)が明らかにされていなかったが、今回の結果からTCRδ鎖がもっとも初期にRすることが強く示唆された。AULと分類された11例でgenotypeを調べると、IgH、TCRδ鎖のRを示す6例と全ての再構成遺伝子がGの5例に二分された。R群の一部ではTdTやCD3ーγのmRNAが検出されたことから、Tーlineageにcommitmentした段階での白血化が示唆されたが、G群の5例ではMPOのmRNAも含めてこれらlineageに関連したメッセージは検出されず、極めてstem cellに近い段階での白血化と考えられた。AULや乳児白血病の予後は悪いといわれているが、R群、G群と予後との相関が注目される。このように大多数の症例でlineage診断は可能であるが、phenotypeとgenotypeのdissociationのみられる症例も少なからず存在する。今後は血球分化の多様性と法則性の観点から白血病細胞を詳細に検討することが、leakesugenesisの解明ならびに新しい治療法の開発に結実していくものと思われる。
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