研究課題/領域番号 |
62570583
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
畑埜 武彦 関西医科大学, 医学部, 講師 (50077731)
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研究分担者 |
浅尾 寧延 関西医科大学, 医学部, 助手 (00175829)
西 正晴 関西医科大学, 医学部, 助手 (90164532)
日置 紘士郎 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60077641)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 癌 / アミノ酸代謝 / アルギニン・インバランス |
研究概要 |
癌補助療法としてのアルギニン・インバランス輸液剤の抗腫瘍効果におけるアルギニンの至適配合比を比較検討した。組成はcontrolとしてArg.1.050g/dl含有し、分岐鎖アミノ酸(BCAA)を多く含んだアミノ酸輸液剤TEO-10群とし、これを基本として実験群輸液剤を作製した。各群でのArg.濃度(g/dl)はI群3.050、II群5.000、II群7.000とした。方法は生後7週齢の雄ドンリュウラットを用い、吉田肉腫1×10^6個を背部に移植し、TPN下に飼育した。成績は各群での体重増加率(%)はTEOー10群で4.5±1.6、I群6.7±1.6、II群6.9±1.6、III群5.1±1.8でI、II群で有意に増加した(P<0.05)。Nーbalance(g/kg/8days)ではTEOー10群2.15±0.68に対してI群3.16±0.43、II群3.76±0.71、III群2.87±0.59でII群が最も良好なNーbalanceを示した。腫瘍重量(g/kg/carcass weight)ではTEOー10群14.2±3.1、I群13.2±1.5、II群9.6±2.6、III群14.4±3.2でII群が最低で有意差を認めた。血清学的デ-タでも各群とも大差なく、アルギニンの増量による副作用は認められなかった。ただBUNはTEOー10群に比し各群とも総窒素量に比例してやや高い傾向にあった。血漿遊離アミノグラムにおいてArg.の増量に比例してArg.,Orn.がI、II、III群ともにTEOー10群に比し有意に増加した(P<0.01)。これと同様の傾向は尿中あるいは腫瘍組織中遊離アミノグラムにおいてもみられた。以上、体重増加率、窒素バランス、腫瘍増殖抑制効果及び血清学的デ-タよりみてII群の5.000g/dlのArg.を含有する輸液剤(Arg.contents 4.50g/kg/day)がアルギニンの至適配合比であると考えられた。次にアルギニン・インバランス輸液剤と制癌剤FTー207併用による抗腫瘍効果を検討したが、アルギニン群における抗腫瘍効果はみられたが制癌剤併用による相乗効果は得られなかった。しかし制癌剤投与によると思われる体重減少はアルギニン群ではみられなかった。以上より今後は併用する制癌剤の種類、投与量、投与方法等についても検討する必要があると考えられた。
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