研究課題/領域番号 |
62570614
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
伊藤 泰雄 杏林大学, 医学部・小児外科, 助教授 (80110881)
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研究分担者 |
薩摩林 恭子 杏林大学, 医学部・小児外科, 助手
韮澤 融司 杏林大学, 医学部・小児外科, 講師 (60129591)
平野 寛 杏林大学, 医学部・解剖学, 教授 (10086481)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | ヒルシュスプルング病 / 先天性巨大結腸症 / アセチルコリン受容体 / オ-トラジオグラフィ- / オートラジオグラフィー |
研究概要 |
ヒルシュスプルング病の無神経節腸管がなぜ収縮状能を保つかは、未だ十分解明されていない。我々はヒルシュスプルング病腸管のacetylcholinesterase活性の局在を電顕的に検討し、外来性のコリン作動性神経線維が平滑筋の近傍で神経終末を形成している所見を得た。そこで、実際、平滑筋側にアセチルコリン受容体が存在するか否かを検討する目的で、本研究を行った。 昭和62年度は、正常ラットを用いて〔^3H〕quinuclidinyl benzilate(以下〔^3H〕QNB)によるオ-トラジオグラフィ-の基礎的研究を行った。その結果、アセチルコリン受容体の局在を示す銀粒子は、粘膜、粘膜下層、筋層に集蔟的、あるいは線状配列として観察された。これらの銀粒子は硫酸アトロピンの前投与によって抑制されることから、ムスカリン様アセチルコリン受容体に特異性があると思われる。昭和63年度は、正常ラットの実験を重ね、液体シンチレ-ションも併せ行って、消化管部位別のアセチルコリン受容体の分布を検討した。その結果、アセチルコリン受容体は、消化管の口側に豊富で、肛門側へ向かうほど減少する傾向がみられ、消化管運動のgradient theoryが裏づけられた。平成元年度は、ヒルシュスプルング病ラットを実験モデルとして、無神経節腸管のアセチルコリン受容体の分布を検討した。その結果、無神経節腸管にも正常腸管と同様にアセチルコリン受容体の分布が認められ、量的にも正常腸管に比較して有意差を認めなかった。 以上の結果より、無神経節腸管に増加した外来性のコリン作動性神経線維は、直接に平滑筋に接合し、神経支配をしていると考えられる。
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