研究課題/領域番号 |
62570618
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
久保 宏隆 東京慈恵会医科大学, 第二外科, 講師 (70119791)
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研究分担者 |
堀 訓也 東京慈恵会医科大学, 第二外科, 助手 (20199524)
吉井 修二 東京慈恵会医科大学, 第二外科, 助手 (50200928)
柏崎 修 東京慈恵会医科大学, 第二外科教室, 教授 (20056518)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ストレス潰瘍 / 高カロリ-輸液 / 胃粘膜ムコ物質 / ヘキソサミン / プリン代謝 / 尿酸 / 胃粘膜増殖細胞帯 / 胃粘膜ー粘液関門 / フリ-ラジカル / 粘膜下血流 / 1.高カロリー輸液 / 2.ストレス潰瘍 / 3.胃粘膜ムコ物質 / 4.ヘキソサミン / 5.胃粘膜増殖細胞帯 / 6.胃粘膜ー粘液関門 |
研究概要 |
臨床経験上、ストレス潰瘍発症病態下で、TPN管理にて十分なカロリ-とアミノ酸などの栄養補給を行うとストレス潰瘍の発症が予防されるとの報告は時々見られるが、TPN施行によるストレス潰瘍発生予防のメカニズムに対しての報告はない。このメカニズムを究明するために、実験的研究を行った。〈実験方法〉実験動物としては体重200〜250gのWrsterラットを使用した。TPNはラットの頸静脈より上大静脈内にシリコンチュ-ブを挿入し、総投与カロリ-250kcal/kg/dayで管理した。ストレス潰瘍作成は水浸拘束法とした。ストレス負荷期間中TPN施行した群をTPN施行群、施行しなかった群を非施行群とし、2群間でストレス負荷1、3、5、8時間での(1)潰瘍係数(2)組織形態学的観察(3)粘膜・粘液内ヘキソサミンの測定(4)血清ガストリン、ペプシノ-ゲンの測定(5)胃組織内プリン代謝への影響を知るために組織内尿酸定量、組織内含水率の測定(組織内尿酸定量はHPLCーECD法にて行った)をおこない両群間で比較検討した。〈結果〉(1)潰瘍係数の変動よりTPN施行群は非施行群に対して有意に低値であった。(2)肉眼的、組織学的には両群に差を認めなかった。(3)TPN施行群では、非施行群に対してPAS陽性物質、AB陽性物質、ヘキソサミンは高値を示した。(4)攻撃因子としての血清ガストリン、ペプシノ-ゲンの変動には両群間に差を認めなかった。(5)TPN施行群では組織内尿酸値は高値を示し、組織内代謝が亢進した状態でのエネルギ-補給は代謝に十分利用されることが分かった。以上の結果より、ストレス負荷中にTPNを施行し糖、アミノ酸といったエネルギ-源および蛋白源を投与することによって、胃粘膜におけるgenerative cell zone(増殖細胞帯)の活性化がおこり、その結果、胃粘液ムコ物質の増殖が起こることによって、胃粘膜防御因子である胃粘膜一粘膜関門の増強がおこり、ストレス潰瘍発生を抑制し得たのではないかの結論に達した。
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