研究課題/領域番号 |
62570621
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
山村 学 関西医科大学, 外科学教室, 講師 (60077732)
|
研究分担者 |
浜田 吉則 関西医科大学, 外科学教室, 助手 (00172982)
上辻 章二 関西医科大学, 外科学教室, 講師 (20148505)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | セレニウム / 癌 / グルタチオン・ペルオキシダ-ゼ / 必須微量元素 / 消化器癌 / 科学膵発癌 / 消火器癌 / 値中セレニウム / 組織セレニウム / 低セレニウム血症 |
研究概要 |
われわれは、消化器癌患者におけるSeleniumの代謝および癌進行度との関係と、動物実験においてSeleniumの抗膵癌作用を検討した。臨床研究に関しては、消化器癌患者における、血中、癌組織内および周辺健常組織内Selenium濃度、尿中Selenium濃度を測定した。癌患者の血清Selenium濃度は、対照とした良性外科的疾患患者、非外科的疾患患者、および若年健常者に比して、有意に低値を示した。Seleniumの尿量排泄量に関しては、癌患者、良性外科的疾患患者間で差を認めなかった。組織内Selenium濃度についての検討では、癌患者において、癌組織は周辺健常組織より高いSelenium濃度を示したが、良性疾患の組織内Selenium濃度と比較すると、癌患者の組織では、癌組織、周辺組織共に低値を示した。癌の進行度との関係では、癌の進展と共に、血清Selenium濃度は低下を示したが、組織内Selenium濃度とは相関しなかった。動物実験では、生後4週の雌性ゴ-ルデン・シリアン・ハムスタ-を2群に分け、低Selenium精製食を与え、1群には亜セレン酸ナトリウムを飲料水に混じSelenium濃度0.1ppmとし、他群には、Selenium濃度4.0ppmとして自由に摂取させた。4週間の馴化後、各群共にN′ーnitrosobis(2ーoxopropyl)amine、10mg/kg body weightを毎週10回投与する発癌群と生理的食塩水のみ投与するコントロ-ル群に分けた。最終投与後18週目に屠殺、採血し膵臓の組織観察と血清中Selenium濃度、glutathione peroxidase活性を測定した。高Selenium摂取群にて膵癌発生個数が有意に抑制されており膵癌発生率の面でも抑制傾向を認めた。また、高Selenium群で血清Selenium、glutathione peroxidase共に有意に高値を示した。以上より、低Seleniumは、消化器癌を促進するrisk factorとなりうるとともに、高Selenium状態は癌予防の可能性があり、その機序にglutathione peroxidaseの関与することが示唆された。
|