研究課題/領域番号 |
62570628
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
阿部 忠昭 秋田大学, 医学部, 教授 (30004815)
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研究分担者 |
桜田 徹 秋田大学, 医学部, 講師 (70125714)
栗林 良正 秋田大学, 医学部, 助教授 (40006713)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | St.Thomas液 / 順行性Cardioplegia法 / 逆行性Cardioplegia法 / 心筋保護 / 右心機能 / 右室長軸短縮率 / 局所冷却法 / 順行性Car dioplegia法 |
研究概要 |
<方法>雑種成犬を用い、軽度低温体温外循環下に60分間の大動脈遮断を行い、その間以下の3群に分け心筋保護を行った。I群:冷却St.Thomas液による順行性(大動脈基部からの注入)、II群:逆行性Cardioplegia法(冠静脈洞からの注入)、III群:逆行性Cardioplegia法とice slushによる局所冷却併用法の3群である。心虚血中の右室、左室心筋温を経時的に測定するとともに大動脈遮断解除後10分の補助循環ののち体外循環より離脱し、遮断解除後15分、30分、45分、60分に各種血行動態指標(右室圧、右室max dp/dt、肝動脈圧、右房室、左房室、心拍出量)と右室心筋長軸短縮率を測定した。 <結果>(1)心筋温はI、II群とも液の注入により低下するが、III群では著明に低下し、左室は10〜13°C、右室8〜10°C前後で経過した。 (2)I群では虚血前後において右心機能に変化は認められなかった。II群では右房圧が前値に比し遮断解析後15分、30分で有意に高値を示し、15分の時点では左房圧を凌駕していた。III群では右房圧が前値に比しやや高く経過したが有意差はなかった。 (3)右室長軸短縮率はII群で遮断解除後15分の時点で前値の61.6【plus-minus】13.9%と有意(p<0.05)に低下し、虚血後早期に右心機能低下を認めた。III群では大動脈遮断解除後15、30、45、60分の時点でそれぞれ前値の100【plus-minus】27.7、105【plus-minus】29.2、107【plus-minus】52.7、119【plus-minus】74.3%と良好に保たれ、収縮〓〓〓 <結語>冠状静脈洞から心筋保護液を注入する逆行性Cardioplegia法では、右心室の心筋保護効果が低下することが危倶されている。逆行性Cardioplegia法単独では虚血後早期に右心機能低下を認めたが、臨床的に行っている逆行性Cardioplegia法にice slushによる局所冷却法を併用する心筋保護法は本実験的研究により血行力学的に右心室保護効果に全く問題はなく、手技的簡便さ、手術視野確保などの利点を鑑み、有用な心筋保護法であることが実証された。
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