研究課題/領域番号 |
62570695
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
大野 藤吾 帝京大学, 医学部, 教授 (70082120)
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研究分担者 |
朴 杓允 帝京大学, 医学部, 助手 (20147094)
大野 藤吾 帝京大学, 医学部・市原病院整形外科, 教授 (70082120)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 末梢神経腫瘍 / 孤立性線毛 / 電顕計測学 / 核の異形 / 核内小体の占有率 / 核小体の占有率 / 核内の核小体占有率 / 核内の核内小体の占有率 / 弧立性線毛 |
研究概要 |
神経腫瘍で見られる孤立性線毛は気管や輸卵管の上皮組織の線毛とは異なる微細構造を示した。その横断面は9+0型の線毛軸糸を有し、subfiber Aに本来在るべきdyneir armが欠けていた。これは、本腫瘍で見られる線毛は明らかに不動毛である事を示している。その発生率は、良性腫瘍の線維芽細胞やシュワン細胞では低いが、悪性腫瘍では高い。この発生津を統計分析にかけると悪性腫瘍-良性腫瘍及び悪性腫瘍-正常神経の間で有意差が認められた。線毛は、悪性腫瘍、胚、幼若組織のような旺盛な増殖組織で高頻度で見られ、良性腫瘍の如き増殖活性がより低い組織で低頻度で観察された。これらの事から線毛は装飾組織で見られる特色の一つであり、組織増殖性の差が線毛発生率に反映している事が推論できる。。線毛の発見は、腫瘍同定の役には立たないが、その発生分析は、腫瘍の悪性度の推定に役立つと考えられる。末梢神経腫瘍の腫瘍細胞核の異形性の分析結果は、悪性腫瘍よりは良性腫瘍に異形性のある核が多い事を示した。これは、悪性度との関連で末梢神経腫瘍の核の異形性を評価できないが、悪性腫瘍細胞の核で核小体の容積が増加するという仮説は、本研究の電顕計測学的な結果によっても支持された。核小体の容積は、正常神経が良性腫瘍よりも悪性腫瘍において最も高い値を示した。核内小体の容積に関しても同様に悪性腫瘍で高い値を示している。これらの結果は、核小体、核内小体とも細胞のタンパク質合成と深く係わった構造であるため、悪性腫瘍におけるこれら構造の容積増大は腫瘍における増殖あるいは悪性度を反映したものと考えられる。
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