研究課題/領域番号 |
62570704
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
石川 敏三 山口大学, 医学部, 助手 (90034991)
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研究分担者 |
中木村 和彦 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (50180261)
定光 大海 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (10187164)
前川 剛志 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (60034972)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 敗血症性脳症 / 脳内モノアミン / セロトニン代謝回転 / 受容体結合 / サブスタンスP. / サブスタンスP |
研究概要 |
本研究は敗血症性脳症時の脳内神経伝達機構の役割を解明するため、モノアミン及び神経ペプチドの伝達機構を詳細に検討し、効果的治療薬に関する基礎的知見を得ることを目的とした。実験はラットを用い、麻酔下開腹し盲腸結紮及び穿刺による敗血症モデルを作成し、運動活性と情動行動が著しく抑制され、疼痛閾値が上昇し脳波も高振幅徐波を呈した状態(平均11時間後)で断頭した。まず、局所脳ブドウ糖代謝率(LCGU)の測定から、敗血症時には海馬、青斑核、大脳皮質で低下するが、縫線核、中隔核ではむしろ増加することが判り、意識障害に5ーHT神経系の活動亢進の関与が示唆された。しかしながら、5ーHT代謝回転(5-HIAA/5-HT比)は、明らかな変化はなく、したがってシナプス伝達の推察にはシナプス後膜の活性の役割がより重要と考えられた。そこで、本研究目的である受容体結合について、意識水準の調節を始め、内分泌や知覚伝導に重要な役割を果しているサブスタンスP(SP)について詳細に検討した。その結果、敗血症時には、辺縁系(海馬、中隔核、扁桃体)、脚間核手綱核系や錐体外路系で受容体数(B max)が低下していることが明らかとなった(Scatchard解析)。したがって、SP受容体が敗血症に特異的に結合減少するのかは不明であるが、敗血症時の意識障害を始めとする機能的変化において、SPが直接的に変化したことあるいは、他の伝達物質の活性を修飾させたことが関与した可能性が示唆された。本研究では、治療薬の効果について十分な知見は未だ得られていないが、敗血症時にSP受容体結合が低下したことが初めて明らかとなった。
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