研究課題/領域番号 |
62570722
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
杉村 芳樹 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90179151)
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研究分担者 |
日置 琢一 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (90208736)
林 宣男 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (70198852)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 前立腺 / 微小解剖 / 性ホルモン / 前立腺形態発生 / 前立腺癌 / 前立腺肥大症 / 性ホルモンと前立腺形態発生 / 前立腺化学発癌 |
研究概要 |
1.ラット前立腺は組織学的にも生化学的にも古くから研究されているが、今回、微小解剖法を用いてその腺管構造を明らかにできた。ラット前立腺は前葉、後葉および側葉からなり、特に側葉はその腺管分枝形態の差から2群に分かれることが見出された。さらに、これらの葉間において性ホルモンの依存性が異なることが示され、研究分担者の林が発表した。以上より前立腺の腺内における異質性が明らかであり、ラット前立腺の発癌モデルにおいて報告されている葉間の発生頻度の差に何らかの関係があると考えられた。 2.マウス前立腺においては、生直後短期間における性ホルモンの投与が、生長後の前立腺の形態形成に重大な影響を及ぼすことが示された。特に女性ホルモンであるdiethyl stilbestrol(DES)の投与は、前立腺の分枝形態発生を抑制するとともに、結節状の異常分枝形態を高率に誘導することが示された。この異常形態は悪性所見は認めないものの、前立腺肥大症あるいは前立腺癌の発生母地となる可能性があり、今後さらに検討する予定である。また、この異常構造は、後側葉にのみ発生していることから、前述したラット前立腺同様に、腺内における細胞反応の異質性が関与していると考えられた。 3.dimethylaminobiphenyl(DMAB)を用いて、マウス前立腺の発癌実験を施行したが、微小解剖法を用いた巨視的なレベルでの腺管構造の変化は、女性ホルモン投与群および抗男性ホルモン投与群においても明確な所見は認めなかった。DMABの投与量、投与期間、性ホルモンの投与法などについて更に今後検討をする予定であり、現在組織学的にも検討中である。 以上、ラットあるいはマウス前立腺において、その正常構造、性ホルモン投与における変化、発癌剤投与による変化を検討し、特に前立腺成長初期における性ホルモン環境が重要な役割りを持つことが示された。
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