研究課題/領域番号 |
62570753
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三宅 侃 大阪大学, 医学部, 講師 (90093468)
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研究分担者 |
倉智 博久 大阪大学, 医学部, 助手 (40153366)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 成長因子(growth factor) / 胎児ー胎盤系 / Dot blotting / Northern blotting / 胎児ー胎盤系(feto-placental unit) / 絨毛細胞(trophoblast cell) / EGF受容体 / ヒト胎盤 / Binding assay / メッセンジャーRNA / pE7 / cDNA / v-erb-B oncogene |
研究概要 |
本研究は、マウスにおいて(1)乳汁分泌にEGFが生理的に重要であること(2)妊娠中EGFの産生が亢進しその血中濃度も上昇すること(3)妊娠の維持にEGFが生理的に重要であることなどが明らかにされたことと、ヒト胎盤にはEGF受容体が豊富に存在するという報告にもとづいて、ヒトで妊娠中EGFがどのような意義を持つのかを検討するため妊娠期間中の胎盤におけるEGF受容体の変動について研究したものである。今までにも本テーマについては多くの報告があるが、これらでは必ずしも一致した見解を得ていないことから以下の点を改良点とした。(1)EGF受容体の測定とともに、その産生をも検討するため胎盤組織より細胞RNAを単離し、Dot blottingおよびNorthern analysisにてEGF受容体のメッセンジャーRNAを測定した。(2)胎盤組織の中でEGF受容体が主に存在するtrophoblast cellを分離し、そこにおけるEGF受容体の変動について検討した。その結果、1.EGFと受容体との結合力は妊娠時期により変動しなかったが、結合能は初期0.72、中期1.02、末期1.89pmol/mg proteinと妊娠の進行に伴う増加がみられた。2.Trophoblast cellにおけるEGF結合能も初期0.82、末期1.91pmol/mg proteinと全胎盤の場合とparablelな増加をみた。3.EGF受容体のメッセンジャーRNA量も初期に比べ中期で2倍、末期で2.1倍と結合能とproportionalな増加をみた。これらの結果からヒト胎盤中のEGF受容体は妊娠の進行とともに増加することは明らかであり、ヒトの妊娠において胎児ー胎盤系の発育にEGFが何らかの生理的役割は、子宮内胎児発育遅延(IUGR)や未熟児などの成因とも合わせて重要である可能性もあり、今後益々注目される分野であると思われる。
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