研究概要 |
Moblegらの方法に準じ部分精製した7-SNGF分画より, 酸性条件下で解離させたP-NGFをlon-change chromatographyで分離した. さらに塩濃度勾配により分離し, 凍結乾燥によりcrude placental NGFを抽出した. crude placental NGFの精製にはHPLCを使用し, 200gのヒト胎盤より, 7.5mgのcrade placental NGFが分離できた. 生物学的活動の測定はLevi-Montalciuiらの方法に準じ次の様に行った. すなわち孵化8〜10日令のニワトリ胚脊髄後根神経節を用いたplasma clot法にて行った. ニワトリ血漿を含むメディウムをトロンビンで凝固させた後, 37°Cで24時間培養し, 神経節周囲から伸びる神経線維の密度を判定基準として活性の有無を判定した. placental NGFの生物活性は75〜750mg/mlで1 biological unitの反応であった. NGFのreceptor assagはニワトリ胚脊髄後根神経節, 培養マウスueuroblastoma cell lineのhomognateの両物を使用し, 125I-mouse NGFと各濃度のmouse-NGFあるいはヒト胎盤よりの抽出者をcoldをして使用し, 室温にて2時間インキュベートし, フィルターにてB・Fを分離することにより求めた. この方法により, 両者ともにNGF 1 ng/mlの感度を有する特異的結合を認めた. また, radio receptor assayでは低塩濃度の5〜6分の分画で, NGFは450ng/mlと最も高値を示した. つづいて11〜12分, 17〜18分の高塩濃度の分画においても, 前半より低いNGFのピークを認めた. しかし, ニワトリ胚を使用したbioassayでは低塩濃度には活性が見られたが高塩濃度では活性は明らかでなかった. 以上, 胎盤NGFの抽出精製を行ない, bioassay,receptor assayを検討し, 更に精製過程における分画中の活性を検討した.
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