研究概要 |
鼻アレルギーの発症に重要と考えられるケミカルメジエター, ヒスタミンロイコトリエンD_4(LTD_4), プロスタグランディンD_2(PGD_2), 血小板活性化因子(PAF)を用いて鼻粘膜誘発テストを行い, 抗原, 対照と比較した. テストは閾値法で行い, 反応はくしゃみ回数のカウント, 鼻汁の重量測定, 鼻腔通気度の測定で評価した. 抗原誘発によりくしゃみ, 水性鼻汁, 鼻腔通気抵抗の増加がみられた. ヒスタミンでも三症状がみられたが, 抗原に比し持続時間が短く, くしゃみが多く, 通気抵抗の増加が軽度であった. LTD_4はくしゃみはなく, 鼻汁の増加は軽度だが持続性の通気抵抗の増加がみられた. PGD_2は大量でも三症状の発現はみられなかった. PAFは鼻汁および通気抵抗の増加を来したが, その量は鼻アレルギーで遊離される量を遙かに越していた. 鼻アレルギーのケミカルメジエーターとしてはヒスタミン, ついでLTD_4が重要と考えられた.
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