研究課題/領域番号 |
62570850
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
松本 昌世 愛知学院大学, 歯学部薬理学, 教授 (70064780)
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研究分担者 |
戸苅 彰史 愛知学院大学, 歯学部薬理学, 講師 (80126325)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 高血圧 / PTH / カルシウム / カテコールアミン |
研究概要 |
低カルシウム食(Ca欠食)で維持したラットにおいて、有意な血圧の上昇を認めこの成因に副甲状腺機能の亢進が重要な役割を果たしていることが示唆された。血中副甲状腺ホルモンの濃度を実際に測定した。 その結果、Ca欠食で維持した高血圧ラットでは明らかに上昇しており、正常食群のものより30倍の高値を示した。また活性型ビタミンDが関与しているかを検討するために、体重40gのWistar系雄性ラットをD欠食で7週間維持し血漿Caの半減したもので検討した。Ca欠食群の場合と異なり有意な血圧上昇はみられなかった。 一方副甲状腺ホルモン(PTH)は血管平滑筋を弛緩させ、高血圧モデル動物の血圧を下降させるこが報告されている。そこでCa欠食で7週間維持した高血圧ラットと同じく正常食で維持したラツトにPTH(1-34)(50μg/kg,S.C.)を投与し、非観血的に血圧の変動を投与後0^1、30^1、60^1、 180^1値について測定した。その結果、正常食群では30^1値で既に有意な血圧の下降がみられたがCa欠食の高血圧ラットでは血圧の下降はみられなかった。 これらラットの頚動脈血圧を麻酔下で測定しPTH(1-34)1.5、3.0、6.0μg/kgの効果を検討した。その結果正常食群dose dependentに著名な抑制がみられたのに対し、Ca欠食群ではその程度は極く僅かであった。 この結果はCa欠食で維持したラットのPTHに対する感受性が正常食ラットと異っていることを示している。 またCa欠食維持ラツトにおける血中カテコールアミン(ノルアドレナリン・アドレナリン)増加および副腎におけるカテコールアミン合成酵素の増加が認められた。以上の結果からカルシウム欠乏食により惹き起こされた血圧の上昇は、副甲状腺機能の亢進に基づく血中PTHの増大が副腎におけるカテコールアミン代謝系が促進され、血中のノルアドレナリン、アドレナリンの上昇により生じた可能性が示された。
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