研究課題/領域番号 |
62570867
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
長田 保 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (70084720)
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研究分担者 |
堀口 敦子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (40173637)
谷 信之 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20163610)
平林 正道 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (20104482)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 根尖病巣 / 根管内細菌 / 単球遊走能 / IL-I活性 / mitogen作用 / PBA作用 / T.Bリンパ球 / マクロファージ / 免疫担当細胞 / IL-1 / マイトジェン作用 / LPS |
研究概要 |
根尖病巣成立に関与する根管内嫌気性菌の免疫生物学的意義を明らかにすることを目的として研究を行い以下の知見を得た。まず、根尖病巣を有する根管から最近を分離・同定した結果、グラム陰性偏性嫌気性菌、特にBacteroides属が高率に分離された。それらの根管分離最近の免疫生物学的活性を単球遊走能、IL-I活性、mitogen作用、PBA作用について調べた結果、Bacteroides属およびVeillonlla属の菌体成分に強い免疫生物活性を有することが明らかになった。そこで、感染根管から最も高頻度に分離されたB.buccaeの菌体破砕上清をゲル濾過により分離した結果、強い免疫生物かっけいは38KタンパクおよびLPSに由来することが明らかになった。これらの結果から、感染根管内のグラム陰性嫌気性菌は、根尖部に免疫担当細胞の遊走を〓起するとともに細胞機能を賦活化して免疫応答を誘起することが示唆された。そこで根管内最近と根尖病巣内の免疫担当細胞との関係を明らかにするために免疫組織化学的検索を行った。その結果、Bacteroides属、Veillonlla属Peptostreptacoccus属およびEubacteriom属が根尖病巣内の細胞間質や組織内の泡沫細胞に貧食された状態で存在することが確認された。また、これらの泡沫細胞周囲にはT.Bcallの存在が認められた細胞間の接触が確認された。各免疫担当細胞 (T.Bcall,マクロファージ) の分布は、歯根肉芽腫、歯根〓胞および根尖〓〓の各病型において異なっていることが認められ、免疫担当細胞の動態が病態推移と関連していることが示唆された。 以上のことから、根尖病巣の成立機序にはグラム陰性嫌気性菌の抗原刺激に基づく免疫病理学的機序の関与が重要であることが認められた。
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