研究課題/領域番号 |
62570897
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福田 登美子 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (90029984)
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研究分担者 |
舘村 卓 (館村 卓) 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60188266)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 開鼻声の評価 / 口蓋裂言語 / 鼻腔振動率 / 母音|i|の音声スペクトル / 母音|i|の鼻腔振動スペクトル / 口蓋裂音声 / 開鼻声 / 音響分析 / 開鼻声の音響分析 |
研究概要 |
研究者らは開鼻声が母音発音時に発生する過度の鼻腔共鳴であるという発生機序に視点をあて、開鼻声の臨床的評価方法を検討した。 研究方法は開鼻声が最も著明に出現する母音|i|を用い、音響物理学的方法により母音|i|産生時の1.音声の周波数成分及び2.鼻腔振動の周波数成分を抽出し、次に、2.で1.を除して得た鼻腔振動率を算出しこれを基準とした。また、鼻腔振動率と聴覚心理的評価との相関を検討した。被検音は口蓋裂術後患児で鼻咽腔閉鎖機能不全を呈する7歳から12歳の患児10例の音声、及び年齢の対応する正常音声児10例を用いて母音|i|及び|m|に後続する鼻音化母音|i|を採取した。これらの音声は聴覚心理的評価を行なった。対象例の中から鼻咽腔閉鎖機能不全に対し二次処置を行なった症例の1年後の音声を同一方法で分析し鼻腔振動率による評価の妥当性の確認を行なった。 本研究の成果は以下のようであった。 1.口蓋裂術後で開鼻声を呈する患児の母音|i|の音声スペクトルは、正常音声児のスペクトルに類似した包絡を示した。しかし、鼻腔振動成分は相違し、正常音声児の鼻音化母音産生時の振動よりさらに強く出現する症例が多かった。 2.鼻腔振動率と聴覚心理的評価の程度とは高い一致を示した。 3.二次手術1年後に算出した鼻腔振動率は全例が手術前より小さくなり、聴覚心理的評価とも一致した。 以上より鼻腔振動率は開鼻声の臨床的評価方法として有用であることが示唆された。今後はさらに正常音声児のサンプル及び成人の音声サンプルを集積し、評価基準を作成する予定である。
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