研究課題/領域番号 |
62570934
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
竹内 義雄 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (20111750)
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研究分担者 |
高橋 たみ子 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (10115181)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 含フッ素合成素子 / 多重官能性炭素化合物 / 選択的脱ニトロ化 / 選択的脱エステル化 / 分子設計 / 二級アルキルフルオライド / 三級アルキルフルオライド / ビルディングブロック / α-フルオロ-α-ベンゼンスルホニルカルボン酸エステル / α-フルオロ-α-スルホニルホスホン酸エステル / α-フルオローα-ニトロカルボン酸エステル |
研究概要 |
現在、有機フッ素化合物が、新素材および薬理活性の両面から注目を浴びている状況をふまえて、脂肪族アルキルモノフルオロ類を得るための機能性の高い合成素子の開発を企画した。その方針としては、近年合成に成功した多重官能性化合物の利用と、我々が開発した実験室的簡便フッ素化反応の適用を考慮し、一般性と実用性に主眼を置いた。以下、研究成果を概説する。 1.ニトロ酢酸エチルをアルキル化更にはフッ素化して、最初の合成素子であるフルオロニトロカルボン酸エチル(1)を得た。1を選択的脱ニトロ化してフルオロエステル(2)へ、2は更に対応するカルボン酸およびアルコール体へと変換できた。また、1の脱エステル体にもう一つのアルキル基を導入するとフルオロニトロアルカン(3)が得られ、3を脱ニトロ化することによりフルオロアルカン、フルオロアルケン類へと誘導することに成功した。 2.化合物3を脱ニトロ的アルキル化反応に付したところ、その合成が最も困難とされている三級フルオライド類が低収率ながら得られた。一方、1を同一反応に付すと目的物が首尾よく得られ、ここに化合物1の幅広い応用性と実用性が実証された。 3.ニトロ基とスルホニル基、スルホニル基とエステル、更にはスルホニル基とホスホリル基を含む合成素子4、5、6も同様の方法で合成した。4と5に関しては官能基変換において好結果を与えなかったが、6はカルボニル類との反応でフルオロビニルスルホン体(7)へ、更に7は様々な付加反応に供すことができた。 以上、機能性と一般性を念頭に分子設計した合成素子1および6の有用性は、種々のモノフルオロ化合物へと誘導することにより実証された。また、新しい方法論を提供することができた。
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