研究概要 |
1.海洋動物の採集-昭和62年4月に沖縄県八重山群島のサンゴ礁において, Tubipora属及びClavularia属軟体サンゴを計100kg採集した. 2.生理活性化合物の単離と化学構造の解明-採集した軟体サンゴの抽出物について魚毒作用, ウニ卵割阻害作用など予備的生物試験法を用いて活性物質を探索した. その結果, Tubipora musicaからはウニ卵割阻害作用を示す新規セスキテルペノイド, spirotubipolide 1を単離しその構造を明らかにした〔Chem.Pharm.Bull,35.3531(1987). 次いでClavularia viridisからは白血病細胞(HL-60)増殖抑制作用を示す新規プロスタノイド, epoxyclavulone2を見出し, その構造を決定した〔Chem.Pharm.Bull,35.4375(1987)〕. また他のClavularia属軟体サンゴからは魚毒作用及び強力な白血病細胞(P388)増殖抑制作用を示す新規ジテルペノイド, stolonidiol3及びstolonidiol monoacetate4を見出し, またウニ卵割阻害作用を示す関連ジテルペノイド, Claenone5を見出し, それぞれ構造決定した〔Tetrahedron Lett,28.5673(1987);Chem.Pharm.Bull,in press〕. 3.今後の展望-本研究で見出された化合物の生理活性をin vivoを含めて詳細に検討すると共に, 他の根生目軟体サンゴの生理活性化合物の探索を広範に行いたい.
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