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イオンチャンネル・グラミシジンの構造一活性相関

研究課題

研究課題/領域番号 62570958
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理系薬学
研究機関東北大学

研究代表者

竹内 英夫  東北大学, 薬学部, 助教授 (30111454)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードグラミシジン / イオンチャンネル / 生理活性ペプチド / 脂質リポソーム / トリプトファン / ラマン分光法
研究概要

グラミシジンは15アミノ酸残基からなるオリゴペプチドであり, 生体膜中にイオンチャンネルを形成することにより, 細胞内外の金属イオン濃度のバランスをくずし, 抗菌作用を発現する. イオンチャンネルの構造と活性の相関を明らかにする目的で, 本研究では, C末端側に偏在する4個のトリプトファン側鎖が脂質膜中どのような環境にあるかをラマン分光法を用いて調べた. その結果以下のことが判明した. リン脂質として, ジラウロイル, ジミリストイル, ジパルミトイルホスファチジルコリンを用い, 脂質リポソーム中に埋め込んだ場合, いずれの脂質を用いても, トリプトファン側鎖は強い疎水性環境下にある. さらに, 4個のトリプトファン側鎖環境の平均的疎水性は, 脂質の酸素鎖が長くなり, 脂質二重膜の疎水層の厚さが増すに従って増大する. 一方, トリプトファン側鎖インドール環のNH→ND交換速度を上記三種の脂質リポソームについて調べた結果, 4個のトリプトファンのうち, 1個は比較的水分子が接近しやすい位置にあるが, 他の3個は極めて強い疎水環境下にあり, 水分子はほとんど接近できない位置にあることが明らかになった. 以上の知見を総合すると, イオンチャンネルの構造としては, N末端側で二分子会合し, C末端側は膜-水界面の方を向いている構造が結論される. C末端側にある4個のトリプトファン側鎖のうち, 3個のトリプトファン側鎖は脂質膜の炭化水素鎖と強い疎水性相互作用をし, チャンネル構造の保持に役立っているが, 一番C末端に近いトリプトファンは疎水層-親水層の境界領域に位置し, チャンネル開閉の機構に関与していると考えられる. 一価の金属イオンが多量に共存し, チャンネルが活性状態にある場合, 境界領域にあるトリプトファン側鎖の環境がやや親水的になるという実験結果も得られており, この側鎖の構造変化がイオンチャンネル活性と深く関わっていることが示唆される.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H. Takeuchi: Biophys. J.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] H. Takeuchi, Edited by R. J. H. Clark and D. A. Long: "Proceedings of eleventh international conference on Raman spectroscopy" John Wiley and Sos, 2 (1988)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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