研究課題/領域番号 |
62570995
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 共立薬科大学 |
研究代表者 |
川島 紘一郎 共立薬科大学, 薬学部, 教授 (70095008)
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研究分担者 |
大畑 尚代 共立薬科大学, 薬学部, 助手
藤本 和子 共立薬科大学, 薬学部, 助手 (50229043)
鈴木 岳之 共立薬科大学, 薬学部, 講師 (90187740)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アセチルコリン / ラジオイムノアッセイ / 回腸縦走筋標本 / 脳スライス / M_1受容体 / ピレンゼピン / テレンゼピン / アトロピン / ラジオイム@アッセイ / AFーDX116 / Nーメチルスコポラミン / アセチルコリン遊離 / シナプス前M, 受容体 / モルモット回腸縦走筋 / ラット前脳基底核 / TRH / 誘導体 |
研究概要 |
神経終末からのアセチルコリン(ACh)の遊離は、一部が神経終末側に存在する自己受容体によって調節されていることが知られている。これまでアウエルバッハの神経叢を含むモルモット回腸縦走筋標本において、ACh遊離の調節に関与している自己受容体はM_2ムスカリン受容体であると報告がなされていた。我々は独自に開発した高感度なAChのラジオイムノアッセイを用いて、上記標本を電気刺激して遊離されてくるAChを直接定量した。また同時に起こる収縮反応を測定した。標本に種々のムスカリン受容体遮断薬を作用させ、ACh遊離量の変化と収縮反応(M_2ムスカリン受容体を介する)を検討した。 昭和62年度にはM_1ムスカリン受容体の選択的遮断薬であるピレンゼピンが収縮反応を抑制するよりも100倍も低濃度で、ACh遊離を有意に増大させることを見出した。それに対して非選択性のアトロビンのACh遊離増大と収縮反応抑制を起こす濃度間の差は、10倍以下であった。これらの結果は、神経終末に存在してACh遊離を調節しているのは、M_1ムスカリン受容体であることを示している。従来からの報告との矛盾は、AChの定量法に起因するものと思われる。我々は遊離されたAChをすべて測定したのに対し、従来の方法では一部の分画しか測定できない。ラット脳スライスを用いた実験においても同様な知見が得られた。昭和63年度には、M_1選択性をもつテレンゼピン(TZ)、M_2選択性をもつAF-DX116および非選択性のN-メチルスコボラミン(NMS)を用いて、確認のための実験を行った。TZはPZと同様に100倍も低濃度でAChの遊離を増大させたが、AF-DX116はACh遊離に作用をおよぼさなかった。またNMSは予想に反して、収縮反応の抑制作用だけを示した。これらの結果は、M_1ムスカリン受容体が、AChの遊離調節に関与していることを確認するものである。
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