研究概要 |
1.N.brasiliensis接合系について;4菌株に由来する栄養要求変異株を用いて接合伝達による組換えの有無を調べたが、組換え体は得られなかった。 2.N.brasiliensisのlysozyne感受性化:本菌種はリゾチーム高度耐性であるが、グリシン存在下、32Cで培養を行うことによりリゾチームに対する感受性を飛躍的に高めることに成功した。 3.N.brasiliensisのプラスミド:上記の条件で培養した菌体を用いて溶菌を行い、7株のN.brasiliensisより4種のplasmid pNB1,2,3,4を分離した。 4.プロトプラストの作成と再生:32Cで培養した菌体よりプロトプラストを作成した。収量は菌株ごとに異なり、最高で108個150mlcultureであった。プロトプラストの再生は高濃度のsucrose,Na-succinateの存在により阻害された。高張剤としてマンニトールを用い、子件血清アルブミン,カサミノ酸,酵母エキスの添加により8〜9%の頻度で再生がみられた。 5.宿主の作成:IFM0236株より温度感受性株を分離した。またIFM15株ヨリ、カロチノイド非産性変換株でprotoplast収量の良い (10^9/50mlculture) 1510株を分離した。 6.形質転換法の検討:プロトプラスト再生に及ぼすPEGの影響を調べた結果、PEG処理により、再生率が1/2以下に減少することが明らかとなった。今後、他の形質転換法の検討、あるいはPEGに代り得な物質を捜す必要があると考えている。 7.Vectorの作製:ベクターのマーカーとしてカロチノイド合成遺伝子 (car) を用いることにし、streptomycesのcar geneをクローニングした。このDNAをprobeしたHybridisationにより、強い相補性を示すDNA断片の存在を確認した。
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