研究課題/領域番号 |
62571002
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
森本 史郎 大阪薬科大学, 薬理学教室, 教授 (60067270)
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研究分担者 |
松村 靖夫 大阪薬科大学, 薬理学教室, 助手 (40140230)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ラット腎 / カリクレイン / カリクレイン前駆体 / プロペプチド / チオールプロテアーゼ / 活性化酵素 / 糖質コルチコイド / アミノ酸配列 / アルドステロン / デキサメサゾン |
研究概要 |
1.組織カリクレインmRNAの塩基配列から推定されているプロペプチド (Arg-Asn-Asp-Ala-Ala-Pro-Pro-Val-Gln-Ser-Arg;PS11) を合成し、このペプチドに対するウサギ抗血清を用いて、ラット尿不活性型カリクレインが組織カリクレインの前駆体タンパクであることを証明した。 2.ラット尿より腎由来の組織カリクレイン及びその前駆体を精製し、それぞれのN末端側アシノ酸配列を測定した。その結果、尿カリクレイン前駆体は7残基のアシノ酸からなるプロペプチド (Ala-Pro-Pro-Val-Gln-Ser-Arg;PS7) をカリクレインのN末端に有していることが明らかになった。また、PS7のアシノ酸配列は、PS11のC末端側7個のアシノ酸配列と一致することを確認した。さらに、尿カリクレイン前駆体はプロテアーゼの作用によりPS7を遊離し、カリクレインに転換することがわかった。 3.ラットの腎皮質より、カリクレイン前駆体の活性化に関与する酵素の一種 (ActivatorI) を精製した。本活性化酵素は分子量57,000の糖タンパク性チオールプロテアーゼであることを明らかにした。また、ActivatorIに対するウサギ抗血清を得ることができたので、免疫二重拡散法によりその臓器分布を調べたところ、本活性化酵素が顎下腺にも微量に存在することを認めた。 4.腎内活性化酵素を定量的に測定できる方法を考案し、その動態を調べた。その結果、腎臓におけるカリクレイン産生の調節因子として知られているアルドステロンはカリクレイン前駆体の生合成と促進するが、その活性化には影響しないことが明らかになった。一方、合成糖質コルチコイドであるデキサメサゾンの投与は、腎内活性化酵素に対して抑制的に作用した。 以上、生化学的及び薬理学的な面から、腎臓におけるカリクレイン前駆体の活性化機構とその調節機構の一端を明らかにした。
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