研究課題/領域番号 |
62571006
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
山本 清高 東京都老人総合研究所, 生物学部, 主任研究員 (90073022)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 長期継代培養 / 分化機能発現 / 機能変化 / 細胞老化 / 血管内皮細胞の長期継代培養 / 毛細血管内皮細胞の培養法 / 染色体異常 / 分化機能 |
研究概要 |
1.血管内皮細胞の純培養法の確立。動物では、ウシ、ブタおよびウサギ大動脈より内皮細胞の純培養法の確立をした。ヒト血管では、これまで臍帯静脈、同動脈、成人末梢動脈、同静脈、および大網由来微少血管より、それぞれ9、1、7、6、および3細胞株の樹立に成功した。また89年度には、ウサギおよびヒト脳より毛細血管内皮細胞の単離、純培養に成功した。2.分裂寿命と分化機能。1)細胞増殖と分化機能:増殖期には、プロスタサイクリン(PGl_2)産生は低い。ECGFにヘパリンの添加は増殖をさらに促進させるが、PGl_2産生は低下させた。2)分裂寿命:ウシおよびヒト内皮細胞は、いずれの細胞株とも継代数の進行にともない増殖能が低下し、ついには有限の分裂寿命(ウシ内皮細胞:110代、ヒト臍帯内皮細胞;30ー67代、成人末梢血管内皮細胞;15ー48代)を示した。分裂寿命は、細胞株間(個体間)で大きく異なるが、動脈と静脈の間では有意差はみられない。また、分裂寿命と個体年齢との相関も現在までのところ観察されていない。これに対し、ブタおよびウサギ内皮細胞は、いずれも自然形質転換を起こし、permanent cell lineとなった。3)分化機能。抗血栓作用をもつPGl_2産生能は、分裂加齢の進行により有意に低下した。また、PGl_2と同様に血栓防止作用をもつ細胞表面陰性荷電も継代と共に徐々に低下した。生体内でも老人では血管壁のPGl_2産生や内皮細胞の表面陰性荷電が減少していることが報告されている。この様に、in vivoおよびin vitroでの細胞老化による細胞増殖能の減少(修復能の低下)、およびPGl_2産生能や表面陰性荷電の減少は、老人では内皮細胞の老化により動脈硬化の起こり易い環境になっていることを示している。血液凝固作用をもつ第八因子関連抗原は、最終寿命でもすべての細胞が保持していた。細胞膜に局在するアンギオテンシン転換酵素活性は、ウシ、ブタおよびヒトとも、分裂加齢の進行により急激に低下した。
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