研究課題/領域番号 |
62571009
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 岡山大学 (1988-1989) 国立がんセンター (1987) |
研究代表者 |
金沢 浩 岡山大学, 工学部, 教授 (50116448)
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研究分担者 |
手島 伸一 国立がんセンター研究所, 病理部, 主任研究員 (40150198)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ヒト胚細胞性腫瘍 / がん遺伝子 / トランスフェクション法 / 遺伝子発現 / N-myc遺伝子 / 発癌遺伝子 / トランスフェクション / 分化 |
研究概要 |
ヒトの癌のうち、胚細胞性腫瘍の多くは、始原胚細胞が癌化したものであり、多彩な分化像を示す奇形癌である。従って、この腫瘍中の幹細胞は、潜在的に多分化能を持つと考えられる。又、この腫瘍は、幼児や若年者にのみ発生することから、多くの癌腫とは異なった発癌の機構を持つと考えられる。従って、この腫瘍における異常を起こした遺伝子を明らかにすることは、新しい発癌の機構の存在を明らかにする可能性があること、又、初期胚発生の機構の鍵を握る遺伝子を明らかにする可能性があることの2は観点から、極めて重要な研究課題である。本研究では、このような観点から次の3点について解析した。 (1)NIH3T3細胞を用いて新規発癌遺伝子の検索。(2)ヒト、マウス腫瘍のDNAレベルでの既知発癌遺伝子の発現異常を検索。(3)in vitroのヒト胚細胞性腫瘍の分化誘導系を用いて、発癌遺伝子の発現と分化増殖の関係を検索。この結果、新規に発癌活性を有する遺伝子を見いだすことはできなかった。しかし、N-myc遺伝子の異常な増幅および高い遺伝子発現を見いだした。既知の他の発癌遺伝子についてはこのような異常を見いださなかった。従ってN-myc遺伝子の発現がこのタイプの癌腫の発癌または癌状態の維持に深く関係するものと推定された。さらに、本研究で樹立した胚細胞性腫瘍継代株NCC-ITでは、レチノイン酸添加によって形態学的に分化がおこり、それにともなってc-myc遺伝子の発現抑制がおこる一方、N-myc遺伝子の発現には変化がないことを新たに見いだした。
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