研究課題/領域番号 |
62571039
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
五味 邦英 昭和大学, 医学部, 教授 (60053980)
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研究分担者 |
杉山 弘 昭和大学, 医学部, 助手 (80211308)
鈴木 利之 昭和大学, 医学部, 助手
宮 哲正 昭和大学, 医学部, 助手 (40201800)
鵜澤 龍一 昭和大学, 医学部, 講師 (80160232)
高木 康 昭和大学, 医学部, 助教授 (30138490)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ミトコンドリアCK(m-CK) / 悪性腫瘍 / 活性化エネルギ- / マクロCK / 活性科エネルギ- / クレアチンキナーゼ(CK) / ミトコンドリアCK / CKアイソザイム |
研究概要 |
悪性腫瘍患者血清中には、腫瘍に関連して3つのクレアチンキナ-ゼ(CK)が出現する。1つは通常では血清中に認められないCK-BBであり、もう1つは免疫グロブリン結合CK、そして残りの1つが細胞内ミトコンドリアに存在するミトコンドリアCK(m-CK)に近似した性状を有するCKで、これを腫瘍産生CKと考えている。 牛脳を酵素材料として種々の操作によりミトコンドリア分画を分離・精製し、この分画のCKの物理・化学的性状を検索した。この結果、この分画のCKは分子量が数十万と細胞質上清分画のCKとして比較して大きく、活性化エネルギ-も75kJ/mol以上であり、macro CK type 2に近似した性状であった。しかし、熱安定性には乏しく、これはmacro CK type 2と相違した性状であった。 また、臨床的に悪性腫瘍の存在が確認されている悪性腫瘍276例を対象として、血清CKの物理・化学的性状を検索した。この結果、276例中46例(16.7%)にm-CKの存在が確認され、24例(3.7%)にはCK-BBが存在していた。m-CKが高率に認められたのは、肝癌の33.3%であり、大腸・直腸癌、胃癌、乳癌などの腺癌では14.6〜22.6%の高率に認められたが、扁平上皮癌での陽性率は低値であった。また、大腸・直腸癌での進行度とm-CKの関係は早期のstage I II IIIでの出現例はなくstage IVで21.9%に認められただけであり、悪性腫瘍の早期診断指標としてのm-CKの有用性は低いことが明らかとなった。また、血清中の酵素のなかでm-CKとの関連が認められたのはGLDHであり、腫瘍の浸潤により肝細胞が高度に障害されるとm-CKが血中に出現する機序が推測された。
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