研究概要 |
プラズマにおける不安定性の成長と飽和, 乱流への遷移, そして構造の形成に関する知見を得るため以下の課題について研究を行った. 1.2次元イオンビーム・プラズマ不安定性の発展と非線形過程 2次元イオンビーム・プラズマ系の波動を記述する方程式は, 流体近似でδx(δxφ-δxφ+δx^1φ+δxφ^2)+δy^2φ+(δ^3/2)δx^2n=0,δx^2n-δx^2φ=0……(1) と表わされる. ここでαはビームの密度と速度に依存するパラメーターで, ビームの非線形順は無視してある. 線形安定な場合(α<3/2), 線形の3つのモードに対応した3種のソリトンが存在し, そのうち2つは正のエネルギーを, 残りが負のエネルギーをもつため, 相互作用に関与する波がすべて成長する爆発型不安定性や, エネルギーを交換する崩壊型不安定性が可能で, 有限時間で爆発するパルス解や, 分裂するソリトン解を構成できる. しかし, これらの不安定相互作用のみならず ビームのバチングによる線形不安定(α<3/2)でさえ, ビーム捕提によってしか安定化されないので, (1)式では非線形発展の全過程を追うことができず, 粒子コードによるシミュレーションが必要なことがわかった. 2.ドリフト波不安定と渦構造の形成 構造形成に関する流体コードによるシミュレーションを次の系で行った. α+(1-∇_1^2+k∂y)φ+〔∂y+k∂y^2-δ(∂y-v〓_1^2)〓_1^2〕φ=〔(Z×〓φ)〓〕〓_1^2φ得られたシナリオは不安定成長→パラメトリック不安定の励起と渦の発生→渦の融合とスペクトルの逆カスケード→モードン形成である.
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