研究分担者 |
彦坂 令子 大妻女子大学, 家政学部, 講師 (00074964)
村田 輝子 大妻女子大学, 家政学部, 助教授 (80074962)
山川 喜久江 大妻女子大学, 家政学部, 非常勤講師
八倉巻 和子 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (60074936)
長嶺 晋吉 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (60118734)
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研究概要 |
豊かで, オートメ化された今日の日常生活においては, 重い労働の減少と家事労働の軽減に伴い, 消費エネルギーは益々減少する傾向にある. このような環境に生活する青年女子の場合にも, 日常行動は体を動かすことが少なくなり, 緩慢な動作に変わってきている現状である. 今までの調査・測定結果より彼女等の生活行動は活発でなく, 家事作業は少なく, また自由時間の内容は静的な動作が多くみられる. 栄養摂取状態は消費に見合ってはいるが, そのエネルギー量の低いことが分かった. さらに, 身体的な面からは血圧が低く, 鉄欠乏性貧血者の出現が高率であるなど問題点を指摘することができた. そこで今回は, 18〜22歳の本学女子大生370名を対象として食物摂取量調査, 生活時間調査, 身体・心的状況調査そして血液検査, 心拍・血圧測定等を実施し, 実態の把握並びに検討を行った. これらの項目中, 栄養・血液・血圧については年齢別(18, 19, 20歳代)の観察をとおして, それぞれの関連性を推察することができた. 摂取エネルギーは平均1703kcalで, 1207〜2568kcalの幅がある. 年齢別にみると18歳が1713kcalで一番多く, 加齢とともに漸減している. 鉄摂取量はどの年齢も低値であるが, 20歳代の変動係数は高く摂取量低値の者の割合が多い. 血液検査の結果から, 貧血所見の有る者は平均7.0%である. 20歳代では11%と多く, さらに貧血要注意者の割合も8.0%と最も高率である. 血圧については, 最大・最小血圧ともに加齢に伴い明らかに減少の傾向が認められ, 20歳代では最大102mmHg, 最小57mmHgで低値を示している. そこでとくに問題と考えられる20歳代の学生について心拍を測定してみた. 平均心拍数71.5〜81.6, 最頻値59〜73, 標準偏差9.9〜19.0であり"心拍数の多い"いわゆる活動的な動作の少ない状況をとらえることができた.
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