研究課題/領域番号 |
62580077
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学技術史
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木本 忠昭 広島大学, 総合科学部, 助教授 (20052855)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Civil Engineering / 工学史 / J.Smeaton / Civil Engineering工学史 / 技術学の成立 / 技術史 |
研究概要 |
イギリスでのJ.Smeatonの業績およびSociety of Civil Engineersの成立を分析した。Smeatonの業績は、主として(1)millに関係する機械的技術、(2)大気圧機関の改良、(3)真空ポンプの作製に代表される科学的技術的器具の作製や改良、(4)Eddy stone燈台をはじめとする土木工学的業績に大別できよう。 これらの業績は、歴史的な視点で、その展開過程を分析すれば、内容的すなわち「学」的な形成過程と、その学が形成される社会的存在構造を明確に抽出できる。前者では、旧来の学問体系との関連でみると、D.ディドロが『百科全書』を刊行した思想と共通のもの、すなわちキリスト教目的に従属した形而上学知識体系に乞摂されなかった生産現場の知識が継承されていることが指摘されねばならない。これが、後者の変化によって、より明確に実在的抽象されていった。即ち産業革命の進展により、交通運輸そして機械の課題が提起され、これに付着する形で旧来の技術的知識の発展継承がなされたのである。 本研究では、こうしたイギリスを中心としたCivil Engineeringの形成過程の詳細を明らかにするとともに、技術史、工学史分析の方法論的問題をあらためて整理する必要に迫られ、その検討をも行なった。こうした内的諸関連を追求しながら、社会的特殊性に媒介されて展開してきたCivil Engineeringの形成史は、従って、内的な蓄積では、オランダとの関係(これはさらにフランスやドイツ、スイスでの研究にも連なる)があったこと、そして外的には、中世後期の特殊な職能集団(水車大工、船大工等の職人)を基盤にし、多様な、とくに機械や土木関係の技術を包含していたため、内的および外的発展につれて、Society of Civil Engineersもまた、分離せざるをえなかったのである。
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