1 目 的 4・5才児の継続した2年間の身体表現の指導において、4・5才児の身体表現力がどのように変化、発達したかを明らかにする。 2 方 法 (1)対象 東京都内の私立N幼稚園 4才児、5才児 各2クラス (2)期間 昭和62年4月〜平成元年3月 (3)手順 上記により、身体表現の指導を行ない、VTR録画、写真撮影を行なう。これらの観察記録とVTRによる動きの分析により明らかにする。 3 結 果 4・5才児の身体表現力の発達の概要は次の通りである。「動き」については、4才児の初めでは、題材の形や動きの大まかな特徴を、主に上下肢の単一の運動の反復でほぼ同様に表現していた。その後次第に多様化していき、5才児の終わり頃では、題材の色々な角度から、形態、質の変化、抽象的なものもとらえ、体幹から大きくダイナミックに全身で表す。「保育者や子どもとの関わり」は、保育者対子ども個人から子ども同士の関わりが密になり、友達との表現、更にはグル-プ表現もできるようになる。「表現体になりきって動き続ける」は、4才児の初めでは全般に1〜2割の子どもは集中しきれずにいたが、次第に多くの子どもが表現に集中するようになり、5才児では、丁寧に気持ちを入れて表現したり、声を発して活発に動き続ける。すなわち、4才児では、題材からイメ-ジが次第に広がり、そのものになりきって表現できるようになり、身体表現を楽しんで行なえる土台ができたといえ、5才児ではその上に知的、情緒的、社会的発達と相まって、身体表現力の著しい発達がみられた。
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