研究課題/領域番号 |
62580107
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
細谷 東一郎 千葉大学, 薬学部, 教授 (10019648)
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研究分担者 |
高橋 征三 日本女子大学, 家政学部, 助教授 (00011693)
鈴木 徳昭 千葉大学, 薬学部, 助手 (10171240)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ペルオキシダーゼ / 甲状腺ペルオキシダーゼ / ラクトペルオキシダーゼ / 西洋わさびペルオキシダーゼ / NMR / 光吸収差スペクトル / HOMOエネルギー / カップリング活性 / 甲状腺ホルモン合成 / 橋本病 / バセドウ病 / HOMO / エネルギーレベル / 化学修飾 / 差スペクトル / 自己抗体 |
研究概要 |
ペルオキシダーゼには多くの種類がある。大部分はヘム蛋白質であるが、同じようなヘムを有するのに生理作用はお互に非常に異なっている。この原因はヘム周辺部の蛋白の構造、ヘムや第二基質との相互作用の差に帰せられると考えられるが詳細は不明である。また第二基質からヘム鉄への電子移動の研究もまだあまり進展していない。そこで本研究では、これまで当研究室で研究を進めてきた甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、ラクトペルオキシダーゼ(LPO)、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)に重点をおいて、種々の研究手段によりヘム周辺構造と第二基質との相互作用と生理機能との関係について調べた。まず^1H-NMRと^<127>I-NMR及び光吸収差スペクトルを用いた研究から、第二基質の結合部位がLPOとHRPではかなり異っていること、そしてこれがI_-酸化能の差に関係のあることを見出した。またcompound IIJ芳香族系第二基質との反応速度定数(k_4)と、これら基質の電子状態(ab initio法で計算)の相関をみるに、HOMOエネルギーレベルが最も関係が深いことを見出した。これとHOMO電子密度、第二基質の結合部位、別な実験からえられた化学修飾からの知見を考え合わせると、第二基質からヘム鉄への電子移動の概略が推測できるようになった。一方TPOについては精製標品を多く得ることは困難であるが、種々の甲状腺疾患患者組織の異常TPOを調べたり、自己免疫疾患患者血清中の抗TPO自己抗体を用いて研究できる利点もある。これらの研究からわかったことは、 TPOとTgには共通のエピトープがあり、これが抗TPO自己抗体によって認識されるという事実である。これは橋本病発症に関係があると考えられ臨床上注目をあつめている。^<HRD80>LPOにはかヽることがなく、TPOの特異性が明らかとなた。またヨードチロシンのカップリング反応の触媒作用もTPOが最も強かった。
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