研究課題/領域番号 |
62580132
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
富田 基郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30102370)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 補体 / 赤血球 / DAF / MACIF / 膜攻撃複合体 / HRF / 補体制御因子 / 赤血球膜 / 糖蛋白質 / 補体活性制御蛋白 |
研究概要 |
補体は同種赤血球は溶血せず、異種赤血球を選択的に溶血する。この現象は同種制約と呼ばれ有名だが、その機構は不明である。今までの知見は、赤血球膜に同種制約を発現する因子があることを強く示唆する。本研究では、この同種制約を発現する因子の解明を目的とした。まず第一に、本研究課題を開始した当時は、赤血球には補体制御因子としてDAF(C3,C5ーコンベルタ-ゼ崩壊促進因子)のみが知られていたので、DAFが同種制約を示すかどうかを検討した。本研究者により開発されたDAFの簡便精製法を用いて、ヒトとウサギ赤血球からDAFを精製した。両DAFは若干の種特異性を示したが、溶血反応で見られる同種制約現象を到底、説明できるものではなかった。次に、当時新たに報告されたHRFを検討した。HRFは膜攻撃複合体形成を阻止する因子として赤血球より精製されたのだが、本研究者は追試実験を失敗した。その代わりに膜攻撃複合体形成の阻害活性を再現性よく測定する分析法を開発できた。この方法を用いて、HRFとは異なる膜攻撃複合体阻害因子を精製することに成功してMACIFと命名した。現在では、HRFの活性に関するデ-タは誤っており、その活性本体はMACIFであると認められている。MACIFは同種補体のみを強く阻害するので、同種制約を発現する本体でもある可能性が高い。MACIFは本研究者らにより、すでにcDNAクロ-ニングされ、全アミノ酸配列も決定された。その結果、マウスLy-6抗原とホモロジ-を示すことが判明した。Ly-6抗原はTリンパ球活性化と密接に関連することで最近注目されており、MACIFがそれと遺伝子ス-パ-ファミリ-を形成していることは非常に興味深く、今後の研究の進展が望まれる。
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