研究課題/領域番号 |
62580135
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
中川 靖一 帝京大学, 薬学部, 講師 (00119603)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | マクロファージ / アラキドン酸 / ホスホリパーゼ / カルシュウム / カルモデュリン / リン脂質分子種 |
研究概要 |
肺マクロファージのザイモザンによるアラキドン酸の遊離はカルモデュリン阻害剤により特異的に抑制された。カルモデュリン阻害剤はアラキドン酸の遊離を完全に抑制する濃度においても、オレイン酸等他の脂肪酸の放出を阻害しなかった。阻害剤はザイモザンによるコリン型、イノシトール型リン脂質からのアラキドン酸の放出を阻害する事から、ホスホリパーゼA_2の反応を阻害する事が明らかとなった。ザイモザンによるアラキドン酸遊離には外界のカルシウムが不可欠であった。一方、カルシウムキレート剤であるEGTA免罪下においても、オレイン酸、リノー酸の放出は阻害されなかった。これらの結果はザイモザン刺激に伴う、マクロファージよりの脂肪酸遊離にはカルシュウムに依存する反応と非依存の反応があり、依存する反応はアラキドン酸に選択性がある事を示唆している。 肺マクロファージの全ホスホリパーゼA_2活性の約70%は上清画分に存在していた。上清画分を用い、ホスホリパーゼA_2の基質特異性を検討した所、コリン型リン脂質よりのアラキドン酸の水解反応はカルシュウム添加により有意に増加したが、オレイン酸、リノール酸を有するコリン型リン脂質の水解はカルシュウムの有無に影響されなかった。この結果は、マクロファージの細胞上清画分にアラキドン酸を認識するカルシュウム依存的ホスホリパーゼA_2が存在する事を明らかにする為、ホスホリパーゼA_2の分画を試みた。疏水からむ、DEAE-セルロースカラム、ゲルロ過により、ホスホリパーゼAの比活性は約500倍に上昇したが、アラキドン酸を認識するホスホリパーゼA_2を分画するにいたらなかった。しかしながら、本研究において、肺マクロファージにアラキドン酸を認識するホスホリパーゼの存在が、細胞、酵素レベルで確かめられた。
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