研究課題/領域番号 |
62580141
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
田井 直 東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍免疫, 研究員 (70112092)
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研究分担者 |
多田 伸彦 東海大学, 医学部, 助教授 (80167494)
川島 育夫 (川島 郁夫) 都臨床研, 腫瘍免疫, 研究員 (40146824)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ガングリオシド / モノクロ-ナル抗体 / 腫瘍抗原 / メラノ-マ / 神経芽細胞腫 / モノクロナ-ル抗体 / 細胞障害作用 / モノクローナル抗体 / メラノーマ / ラクトン |
研究概要 |
6種類の抗ガングリオシドGD2モノクロ-ナル抗体の詳細な総合特異性を研究した。これら抗体はC57BL16マウス由来のTリンパ腫をA/Jマウスに免疫して作製された。多数のガングリオシド標準品を用いて、3種のアッセイ系(免疫粘着阻止試験、ELISA、TLC上での免疫染色)にて検討した結果抗体は3つの型に分類された。I型はGD2とのみ反応し、その他のガングリオシドとは全く反応しなかった。これに反しII型とIII型はGD2以外にSiaα2→8Siaα2→3Galの3糖を持つガングリオシド(GD3、GD1b、GT1a、GQ1b、GT1b)とも反応したが、その特異性は微妙に異った。II型はガングリオシドのシアル酸の差をも識別することが判明した。すなわちNeuAc-NeuAc-GD3とNeuGc-NeuAc-GD3とは強く反応したが、NeuAc-NeuGc-GD3とNeuGc-NeuGc-GD3とは全く反応しなかった。このことは内側のシアル酸がNeuAcであるGD3とのみ反応し、NeuGcでは反応しないことを示している。これら6種の抗体はガングリオシドラクトン(ガングリオシドのシアル酸のカルボキシル基と水酸基とのliner esterを形成)とも反応することが判明したが、その反応性は各々の抗体で異なった。I型とIII型はGD2ラクトンとのみ反応しその他のガングリオシドラクトンとは反応しなかった。しかしII型はGD2、GD1b、GT1bのラクトンとも反応した。GD2ラクトンの詳細な構造は未定であるが、GD1bラクトンは外側のシアル酸のカルボキシル基と内側のシアル酸のCー9の水酸基がエステルを形成している。上記結果を考え合わせるとII型の詳細なエピト-プはNeuAcα2→8NeuAcα2→3Galの3糖部分、特に内側のシアル酸が重要でCー5はNーAcetyl型であり、更にカルボキシル基はfreeであることが必須であることが解明された。この結果は今後、蛋白質(抗体)と糖質(抗原)との結合部位の解析に重要な知見となる。
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