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被爆後生き残った細胞に於ける遺伝子構造の変化

研究課題

研究課題/領域番号 62580165
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 放射線生物学
研究機関京都大学

研究代表者

小野 哲也  京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (00107509)

研究期間 (年度) 1987
研究課題ステータス 完了 (1987年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード放射線 / 培養細胞 / 長期効果 / DNA / メチル化 / サザン法
研究概要

放射線による障害の多くは被曝から長期間を経た後で始めて現れるが, この原因がDNA上の変化としてとらえられないかどうかを検討するための実験を行った. マウス白血病細胞(L578Y)を用いX線照射後生き残った細胞にDNAの増幅, 組み替え, メチル化の変化が起らないかどうか, いくつかのクローン化された遺伝子をプローブにし, サザン法によって調べた. 結果は以下のように要約される.
(1)L5178Y細胞をクローン化してみると, クローンごとに遺伝子の増幅や組替えはみられないがDNAのメチル化は一定でない. そこでその中の1クローンをとって増殖させてやるとH-ras,IgCμ,IAPの遺伝子ではDNAのメチル化も一定の値を示した. しかしこの同じ細胞が別の遺伝子領域では一定のメチル化を示さない. すなわちアクチンでは8クローン中1クローン(1/8)に, C-mycでは3/8クローンに変化がみられた.
(2)このクローンに12Gyの放射線を照射し, その後に生き残った細胞について調べると増幅や組み替えはみられないがメチル化には一部の遺伝子で差がみられた. IAPでは差がなく, アクチンでは1/8で変化が, またC-mycでは6/8に変化がみられた. すなわち自然状態でも変化し易いC-mycは放射線により変化が加速されている. しかもその変化する部位は限られていた.
(3)別種の細胞(fibroblast)を用い同様の実験をしたがC-mycでの変化は非照射集団でも照射集団でも差はみられなかった.
以上の結果から被曝後生き残った細胞に於てもDNAの多くは構造異常をきたしておらず, ごく一部の遺伝子でメチル化の変化が加速されると考えられる. しかもその変化は細胞の種類によって異なる. 今後より多くの遺伝子領域について調査を続ける必要がある.

報告書

(1件)
  • 1987 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T. Ono;R. Tawa;K. Shinya and S. OKada: J. Radiat. Res.28. 90 (1987)

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書
  • [文献書誌] T. Ono;N. Takahashi and S. Okada: Mutat. Res.

    • 関連する報告書
      1987 実績報告書

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公開日: 1987-04-01   更新日: 2016-04-21  

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