研究課題/領域番号 |
62580189
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
中里 亜夫 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60044343)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 牛疫 / 輸入朝鮮牛 / 海港検疫 / 二重検疫 / 獣類検疫規則(明治9年) / 全国市場 / 家畜市場法(明治44年) / 朝鮮牛 / 牛馬の全国市場 / 朝鮮半島 / 山口県下関市 / 獣疫予防法 / 牛疫検疫所 / 二重繋留検疫 / 朝鮮牛輸入業者 / 家畜市場法 / 屠牛 / 屠場法 |
研究概要 |
明治期の牛疫流行は、基本的には朝鮮半島経由の系統であり、主に西日本の牛卓越地域に於て展開し、約8万頭の牛が斃死・撲殺された。特に、農村地域よりは都市的地域つまり沿岸低地に於てその流行頻度が高く、その被害も多かった。つまり、牛疫伝播は主に既存の生牛取引・流通の地域システムに依拠するが、明治期に新たな展開をみた屠牛(肉用)流通や乳牛飼育や取引の盛んな都市地域を中心にして、これら新しく形成された屠牛・乳牛流通機構・経路を通じての牛疫流行がみられた。 これに対する中疫防遏対策は、輸入生牛を海滝検疫によって病毒侵入を予防する対策と他方では国内での中疫流行に対する防疫対策とがある。政府の家畜衛生取締り関係法上では、(1)悪性伝染病予防に関する布告(明治4年)、(2)獣類伝染予防規則(同19年)、(3)獣疫予防法(同29年)、と(4)獣類検疫規則(同39年)との四時期を経て牛疫防遏の為の法制度面での確立がなされたが、その運用面を含む検疫制度確立は、結局は明治政府の朝鮮半島侵略による海港二重検疫及び前線(中国国境)防疫体制の確立と可能にした日韓併合(同43年)により完成した。 朝鮮半島や中国大陸からの生牛輸入は、特に日露戦争後に増加する。輸入業者は、九州、中・四国地方の出身者が多く、海港検疫港の指定変更や度積なる中疫に悩まされながら、和船(約30頭程度)で連れ移り既存の販売ルートしその他屠中や乳牛等の都市需要向けルートで販売した。その為に、牛疫流行は、朝鮮牛取引をめぐる流通面での混乱を招き、生中馬流通に大きな影響を与えた。その後、汽船就航や陸揚げ港の固定及び屠場法(同39年)や家畜市場法施行(同44年)により朝鮮中取引が山口県下の下関や彦島(福浦落)に一本化され、中疫流行が下火となり、家畜散引に於ける全国都場に組み込まれた。
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