研究課題/領域番号 |
62580219
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体物性学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 敞 (高橋 敝) 京都大学, 化学研究所, 教授 (20022593)
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研究分担者 |
大井 龍夫 京都大学, 名誉教授 (00027004)
大井 龍夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (00027012)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1987年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | αーヘリックス / 超二次構造 / コイルドコイル / バクテリオファージT3 / テイルファイバー / 遺伝子組み替え / 変性と再生 / アミノ酸配列解析 / タンパク質の変性と再生 / バクテリオファージ / α-ヘリックス / 蛋白質構造予測 / 大腸菌 |
研究概要 |
タンパク質の構造は二次構造の集合を基本としている。最も簡単な場合は二次構造の規則的集合であり、複雑なタンパク質の構造構築原理の基礎として吾々はその理解を目指している。本研究では規則的二次構造の代表であるαーヘリックスの規則的集合(超二次構造)をとり上げ、実際のタンパク質としてバクテリオファージT3の尾部タンパク質の主体がαーヘリックス3本縒りのコイルドコイル構造であることを明らかにした。また、この構造の安定性の熱力学的解析のために必要な試料の大量調製を遣伝子工学の手法により、組み替えDNAの大腸菌内での発現によって可能とした。 1.ファージT3のテイルファイバーのアミノ酸配列の理論的解析から、アラニン140からイソロイシン276にわたる領域がαーヘリックス3本縒りのコイルドコイル構造をとることが示された。疎水性残基がヘリックス接触面に特異的に分布し、この疎水性相互作用を更に正電荷を持つ残基と負電荷を持つ残基が相対して配置することによる静電相互作用が補強する形になっている。この構造は電子顕微鏡による形態観察や、このタンパク質の分光学的性質を良く説明する。 2.ファージT3のテイルファイバー遺伝子17を組み込んだプラスミドを構築し、大腸菌内で発現させた。遺伝子17の産物が高効率で発現される系が得られたが、目的のタンパク質は封入体として不溶性の状態となった。変性剤で可溶化した封入体をグリセロール存在下高希釈することによって、天然のものと同様に3量体化した再生タンパン質を得ることが出来、相補性テストで天然のものと同様な生物活性が示された。これによって変成後の再構成が可能であることが明らかになった。猶、限定消化によるコイルドコイル部位の単離は現在まだ不満足な結果しか得られておらず、安定性の熱力学的解析は今後に残された課題である。
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