研究概要 |
本研究の目的は,中学生の数学の学力を測定するためのコンピュ-タ支援テストシステムの開発である。最初に、同一の中学生を対象として数学のテストについてテスト項目の反応デ-タを入学から卒業まで3年間にわたって縦断的に収集する調査を終了し,1学年で欠測地を除いて195項目の168名分,2学年で同じく304項目の135名分,3学年で329項目の124分のデ-タ入力を完了した。これらのデ-タを用いて,学年毎に2つの項目の間の四分相関係数を求めて相関行列をつくり,これに主成分分析をして項目の因子負荷を求めてテスト項目の難易度と識別力を出した。その結果,1学年では195項目の中から145項目について,2学年では195項目の中から145項目について,3学年では195項目の中から145項目について,難易度と識別力を求めることができた。さらに,テスト毎の情報関数を求め,中間と期末の定期テストと実力テストの間の差異や特性を明らかにすることができた。 一方、デ-タベ-スのファイル設計を行い,それに基づいて中型電算機のリレ-ショナルデ-タベ-スによりファイルの作成を行った。このデ-タベ-スは,リレ-ショナルデ-タベ-ス言語INQにより記述され,数学の章節のファイルとテスト項目のファイルから構成される。数学のテスト項目の特性を同定する章節のファイルのレコ-ドは,章節とそのコ-ド,教科,学校名と学年の項目から構成される。テスト項目のファイルのレコ-ドは、章節のコ-ド,難易度,識別力教示,項目から構成される。テスト項目のファイルに章節のコ-ドをキ-として章節のファイルを合併しデ-タベ-スを完成する。このデ-タベ-スは,FORTRAN言語によりアクセスできるため,テスト項目の困難度と識別力,それに生徒の項目への反応から生徒の学力を計算することができる。
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