研究課題/領域番号 |
62580249
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
脇 健 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70035301)
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研究分担者 |
吉川 研一 名古屋大学, 教養部, 助教授 (80110823)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1987年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 視聴覚教材 / 非線形非平衡 / リズム現象 / 引き込み現象 / 秩序形成 / 非線形振動 |
研究概要 |
問題を科学的に解決できると共に、発展的創造的に思考できる能力や態度の育成が教育に要請されている。自然から適切な教材を発見し、適度に簡単でかつ安全に実験、観察できるよう開発することが重要となる。 本研究では視覚に訴える実験として、時間的にくり返し起こり、秩序性の見い出される化学反応系の教材化を行った。 実験方法として、シリンダー内に食塩水を入れ、その先に細管を通し、水中に食塩水を放出する。始めシリンダー内の食塩水は水中に流出するが、しばらくするとその流れは止まり、逆に水が細管を上昇しシリンダー内に流れ込む。その流れもやがて止まり、再び食塩水が細管を通って水中に流出する。この運動が時間的にくり返し起るのである。 以上の実験系に電極を組み込むと、両液の流出入に伴って100mV近くの電位差を生ずることがmVメーターで測定でき、それをレコーダーに記録することによって、現象は更に詳しく観測できた。食塩水の濃度や系の大きさを色々変えることによって、電位差、振動周期、振動の継続時間(回数)は変化し、それらの条件を一定にして電極の位置を変えて行くと電位差に数10mVの差が現れることが明らかとなった。さらに、食塩水を入れたコップを真水中に2個並べて固定すると、新たに引き込み現象が生じることを見いだした。 一般に、自発的な振動現象が生じるためには、自己触媒的な過程が必要であるが、この塩水発振子ではどのように自己触媒的な過程が関係しているのか考察した。 以上の現象はいずれも、実験者の創意工夫で実験条件を変えることにより興味深い結果が得られ、自然への探究心を養うのに効果的な教材であると思う。
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