研究分担者 |
岸野 佑次 東北大学, 工学部土木工学科, 助教授 (00005448)
土岐 憲三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027229)
和泉 正哲 東北大学, 工学部建築学科, 教授 (10005506)
星谷 勝 武蔵工業大学, 工学部土木工学科, 教授 (30061518)
亀田 弘行 京都大学, 防災研究所, 教授 (80025949)
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研究概要 |
本研究は, 都市供給施設が地震により被る災害に対して, 震後の復旧方法も含めた耐震対策の確立を目標としている. 本年度は, 大別して, (1)震害を受けた供給施設の機能を考慮した被害の評価方法の提案, (2)復旧の戦略に関する基本的考察, (3)震害機構の解明のための研究の3項目について分担して研究を行った. 以下に得られた結果の概要を示す. (1)に関しては, 先ず震害をうけた都市供給システムの震害の全体像を捉えるためのシステム分析方法を提供し, 地下街についての事例研究により震害モデルの構築方法の考察を行った. また, 新しい震害評価の方法として, アンケートに基づいて得られた物理的被害と供給の支障の関係についての経験則をもとにした実用的被害予測モデルの構築方法や, 管路網の震害評価に対してフラクタルの概念を導入する方法を提案した. さらに, 大規模な都市供給網の機能被害を卓上電子計算機間の通信網を用いて評価する方法を検討した. (2)に関しては, 先ず, 供給施設の地震被害を都市全体のシステムの中で捉え, 被災による全体の損失を考慮して復旧方法や耐震対策を講ずる方法について基本的な考察を行った. また, ガス供給網や電気通信システム等が被災した後に, 復旧に影響を及ぼす諸要因を考慮しながら, 時々刻々処理するための小型電子計算機による復旧支援システムの開発を行った. (3)に関しては, 供給施設の震害機構を調べる上で最も問題となる地盤の破壊について, 粒状体シミュレーションによる不連続体の破壊解析法を提案し, 盛土破壊の進行や液状化解析への応用例を示した. また, 地震時の異種地盤接合境界付近における間隙水圧を考慮した振動特性を調べるために, 2相系モデルの弾塑性有限要素法解析を行った. さらに, 埋設管の地震時挙動を調べる上で必要となる入力波の時空間的関数をアレー観測地震波記録より合理的に求める方法を提起した.
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