研究分担者 |
松野 太郎 東京大学, 理学部, 教授 (40037172)
光田 寧 京都大学, 防災研究所, 教授 (90027219)
元田 雄四郎 九州大学, 農学部, 教授 (50038311)
武田 喬男 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (60022604)
菊地 勝弘 北海道大学, 理学部, 教授 (80000793)
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研究概要 |
1.本研究の目標は観測, データ解析におよび数値モデルの方法を用いて, (1)梅雨前線帯に形成する中間規模低気圧の動的構造と発達機構, (2)低気圧域における中間規模降雨セル群の分布と消長・移動, (3)実態の解析・予測およびその情報伝達のシステム構成, を解明・開発することである. 2.(1)本年度は重点を目標(1)に置き, 観測によって中間規模低気圧の実態を把握するために, 1987年7月6日から13日にかけて, 九州を中心に福江・熊本・足摺・対馬の4地点で6時間毎のラジオゾンデ観測およびレーダ観測を実施した. この期間は梅雨あけの状況になり狙った気象状況は現れなかったが, その前後の期間に1〜2日周期の中間規模低気圧が見られた. そこで, ルーチン観測資料の解析を行ないつつある. (東大海洋研, 名大水圏研, 京大防災研). 九州における高層観測とは別に, 北大グループは, 8月末に北海道で独自のレーダ観測を行い, 地形性降水を捉えた. 現在はその降水機構の解明を行いつつある. (2)数値モデルのグループの中で, 大規模スケールの気象擾乱を研究しているグループは, 最近10年間の梅雨期間中の若干例について微細格子数値モデルを用いて中間規模低気圧の予報実験を行っている(気象庁数値予報・気象研予報). 一方, 小規模スケールの気象擾乱を研究しているグループは, 積雲対流モデルを作り, 集中豪雨に関係する地形性降水や降水の一形態である熱帯のクラウドクラスターの数値実験を行っている(東大海洋研, 東大理). 3.今後の研究計画:本年度も九州を中心に特別観測を行う. 今年度の反省から, 観測時間は2週間として, 強化観測を通常観測からなるものとする. さらに, 来年度の観測で最も充実するのは, レーダ観測である.
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