研究分担者 |
江藤 剛治 近畿大学, 工, 教授 (20088412)
和田 安彦 関西大学, 工, 助教授 (90026253)
盛岡 通 大阪大学, 工, 助教授 (30029350)
松井 三郎 京都大学, 工, 教授 (90092808)
楠田 哲也 九州大学, 工, 教授 (50037967)
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研究概要 |
本研究により都市域とくに高密市街値における浸水問題の実態とその原因・および対策の可能性を明らかにした. この問題についての技術的側面だけでなく, 法的・経済的・防災等の多くの側面からの総合的アプローチを行った. 特に昭和59年の長崎洪水の体験談とそれ以降の対策について, また大阪市で現在実施中の雨水貯留システムの見学およびヒアリングを通じ, 実務的側面についても考察を行った. 吉本は人間活動の多様化が浸水問題を先鋭化しているメカニズムを解明し, 建設省で収集した資料の提供を行ない, 江藤はアメダス情報を利用した豪雨出水制御計画作成の基礎資料を統計的に解析した. 盛岡は寝屋川・楠田は福岡市を夫々例に取り上げ浸水被害の実態調査と, 雨水流出抑制の試みを評価するシステムを提案する基礎調査を行った. 市川は都市域における雨水流出についての新しいシュミレーションモデル(メッシュ法)を提案しその適用範囲の拡大と精度向上に努めた. 和田は透水性舗装・透水性雨水管の, 榊原は下水管内の貯留効果について夫々検討し, 夫々の雨水流出抑制効果を算定した. 楠田は以上の成果をふまえ, 下水管渠の設計法の今後のあり方を検討した. 忠末は浸水時の避難行動について災害時のそれと対比させながら人的被害最小のためのシステムの確立に努めた. 松井は大阪市育和地区で発生した水害(浸水)事件を例に取上げて河川と下水道との機能分担のあり方について検討した. 以上の成果を学会誌・記要等に発表されたので, それ等を収録した報告書を作成し関係者に配布した.
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