研究分担者 |
青木 伸一 大阪大学, 工学部, 助手 (60159283)
後野 正雄 大阪大学, 工学部, 助手 (10116080)
出口 一郎 大阪大学, 工学部, 助教授 (00029323)
中辻 啓二 大阪大学, 工学部, 助教授 (10029324)
岩田 好一朗 名古屋大学, 工学部, 教授 (10029150)
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研究概要 |
1.岩田は波による河道内水位上昇の算定法について研究を行った. すなわち模型河道に対して不規則波浪を作用せしめ, 河道内水位上昇量を計測し, その特性を明らかにした. ついで波平均量の保存則を新たに誘導し, 平均水位の算定法を確立した. その結果有義波の波形勾配が大きくなり河口水深hが小さくなるにつれて平均水位上昇量η^^-は大きくなり, 最大で^^-=0.12H^^-_h^2(1-^^-^2^^-_h^2/hとなることが明らかになった. ここで^^-_bは河道内での破波高の平均, ^^-はη^^-に対応する地点の平均波高である. 2.椹木は暗渠工法による埋没対策において前面開口の場合の暗渠内の堆砂による漂砂の動態, すなわち浮遊砂が卓越するか掃流砂が卓越するかに左右されることに注目し, 漂砂の動態の割合について計算し, 前面部の半閉塞工法の効果を検討した. さらに次年度には側面開放の場合に対して行う予定である 3.出口は河口に離岸堤を設置することによる埋没防止効果に対して理論的, 実験的に検討え加え, 開口幅が河道幅程度の2基の離岸堤を設置しても顕著な影響を及ぼさないこと, また河川からの流出土砂に対してもあまり捕捉することなく, 十分河口処理工法として用いることができることを明らかにした. さらに河口部の地形変動に対して数値モデルを構築したが, 離岸堤に対しては精度よく予測できなかった. 4.後野・青木は導流堤工法をとりあげ, その堤長が河幅の2倍以内であれば河川流出および流出土砂に殆んど影響を示すことなく, 単に波浪による沿岸漂砂の砂止め効果しか示さないこと, しかし流出土砂の粒径が大きい場合には河道内堆砂をし易いことなどを明らかにした. 5.中辻は洪水時の河口水位の推算に対して河口密度流の効果をとりあげ, 3次元密度流数値モデルを開発した. そして明石川と淀川の現地実測結果と比較した結果, 本モデルは河川流出現象を良好に予報し, 実用化の可能性が大きいことを確認した.
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